沖縄戦で多くの犠牲を出した、「ひめゆり学徒隊」。
戦後、生き残った女性達は、戦場での体験や現在の心境を歌に詠みました。
こちら『ひめゆりたちの「哀傷歌」』は、それらの歌を数多く紹介しながら、彼女らが目の当たりにした沖縄戦の姿と、戦後も終わらぬ悲しみを浮き彫りにする本。
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“蛆じゅわじゅわ虱は走る壕内に血の匂ひ・便尿の匂ひにむせぶ”
“自決せし兵の体は飛び散りて我が目なかひに手のひら一つ”
本書では、生々しい戦場の匂いや、目に焼き付いた光景が詠まれた歌を、その作者と共に紹介。
また他の証言集などを参考に、歌の意味する状況や背景も詳しく解説しています。
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歌には、戦後も消えない辛い記憶や、生き残った罪悪感も詠まれます。
“「お母さん死にたくない」とひめゆりの亡友の声聞こゆ潮騒の中”
“生きてあるうしろめたさを推して入る資料館によみがえる砲の響き”
この鎮魂の祈りの歌を、私達は何度でも読み返し、また多くの方に届けねばと思います。
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