「なはをんな一代記」(1977)は、明治〜昭和の激動の時代を生きた女性・金城芳子氏の回想記。
1902(明治35)年・那覇の辻に生まれ、20歳で上京後、民族学者・金城朝永氏と結婚。
養育院の保母長など児童福祉の仕事に30年あまり従事し、引退後も本土で働く沖縄出身者の支援活動に取り組みました。
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彼女の人生は、平坦な道のりではありません。
妻のある男性を追っての上京と別れ、関東大震災での被災。
結婚後は不況の中で様々な職に就き、夫を支援。
養育院で活躍するも戦争が始まり、空襲で家を焼失…と、まさに波乱万丈です。
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前半は昔の那覇・辻の懐かしい暮らしの様子が、中・後半は東京での困窮生活や福祉の仕事への情熱、各界の著名人との交流や支援活動の事などが、歯に絹着せぬ闊達な語り口で綴られます。
常に沖縄の事を心に留め、また女性の地位向上のため邁進した彼女の半生。
今こそ多くの人に読んでいただきたい一冊です。
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「タイムス選書」シリーズ(古書)、たくさん入荷しました。
沖縄タイムス社の企画で1975〜82年に15冊が刊行された書籍(その後90年からは第2シリーズも)。
いずれも第一線で活躍する沖縄の研究者や作家らが、地元の歴史や文化をテーマに筆を振るっています。
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「山原の火」「逆流の中で」は、戦前戦後の沖縄の社会運動の記録。
「琉球文学論」は、おもろ・琉歌・組踊などの解説。
琉球〜沖縄の歴史を掘り下げてゆく「那覇変遷記」「新・沖縄史論」「沖縄歴史への視点」。
「古層の村 沖縄民俗文化論」は村落や漁村の形成、祭祀や拝所の成立を論じます。
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沖縄学の研究者・外間守善が、沖縄学の父とされる伊波普猷を論じた「伊波普猷論」。
そして「なはをんな一代記」「なはわらべ行上記」は、戦前・戦後の那覇の暮らしを活写した自伝。
それぞれに個性的、かつ日本復帰後の熱を感じる名著です。
ぜひお手に取ってみてください。
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