2006年にチェコの #プラハ を旅した。憧れた東欧の美しい街は、ロシアのオルガリヒ(半グレの商人たち)に占拠され、土産物屋にはロシアの軍帽とマトリョーシカが並んでいた。外貨両替所はお城の近くにあるようなところでも、法外な手数料を取り、そこから飛び出してきたアメリカ人が「ディス・イズ・クリミナル!」と叫んでいた。
あの頃から、私のように東欧を旅した人は、ロシアンマフィアとプーチンがやばいことになっているなと気づいていたはず。でも、多くの人にとってロシアや東欧の事情は他人事で、ほとんどの人が危機感を発信しなかった。もちろんロシア国内にいる人たちも。その沈黙の積み重ねで今、戦争でたくさんの人の命が奪われ、街が破壊されてしまったんだなと。
そして、映画を見ると、ナワリヌイ氏暗殺未遂事件で、暗殺に加担した科学者や医師が姿を現す。人間としての道に外れているという自覚があっても、そう生きるしかないことの恐ろしさをひしひしと感じました。75年前の日本人もこうだったんだろうなというタイムカプセルを開けたような感覚もあって、本当に衝撃の映画でした。