#今日の30分 -3分。「イノベーションへの解」KindleでNo.4527まで。不十分な成長がもたらすデス・スパイラル。
新事業は「良い金」、すなわち成長を気長に待ち、利益を気短に急かす金が必要だ。しかしこれは、5つのステップを踏んで徐々に逆の「悪い金」、すなわち成長を急かし、利益を気長に待つ金に変わる。
まず成功する。次に成長ギャップにぶつかる。成長へのモチベーションから、成長重視の資源配分プロセスに変わる。選ばれた戦略は成長が見込める市場への乗り込みになりやすく、すなわち消費に対抗する道となるため、莫大な投資が必要になる。加えて追随者の立場になるため、顧客がリプレースしないことで、目標の売上に届かず、しかし莫大な投資により確定したコスト構造から支出は続く。
株価は下落し、どうにかするために中核事業への集中として新事業は縮小される。しかし成長をまた求め……という悪循環に陥る。
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「イノベーションへの解」KindleでNo. 4430までの読書ログ #今日の30分 - 眠気と戦う日々 https://zakky-dev.hateblo.jp/entry/2023/09/10/232508
#今日の30分 -3分。「イノベーションへの解」KindleでNo.4430まで。戦略の組み合わせと、2種類の資金について。
意図的戦略と創発的戦略は、意識的に使い分けるべきだ。有効な戦略の発見に創発的戦略を、発見後はそれを確実に遂行するための意図的戦略を。
会社に注入される資金には2種類ある。成長を気長に待ち、利益は気短に急かす資金。逆に、成長を気短に急かし、利益は気長に待つ資金。新事業の形成期においては、適しているのは前者の資金だ。利益を急ぐことで、価値のリスクを早く検証する圧になる。逆に後者は向いていない。こちらは持続的イノベーション、意図的戦略に向く資金だ。
#今日の30分 -3分。「イノベーションへの解」KindleでNo.4190まで。戦略策定プロセス、事業開発段階に合わせる、2つの戦略プロセスの運営。
戦略は予想通りに進まない。机上で正しくとも、現実に当てはめれば誤っていることも多い。変動を最初から組み込むべきだ。失敗した場合でも、そこから学び再度始められるように、ある程度資金を残しておくなど。とはいえ、そうして失敗から学んでいれば、成功パターンを見いだせるようになる。そうなったときは、そのパターンに基づいて、意図的な戦略を策定し、実行すること。
こうした創発的戦略と、意図的戦略の2つの戦略プロセスを運営することは、難しく慎重を要する。破壊的成長の波に失敗する理由は、成功パターンを見いだせないままに意図的戦略を実行したり、見出した成功パターンに投資しないことが多い。加えて、成功パターンに投資して意図的戦略を展開してしまえば、それが価値基準となって別の破壊的成長を阻害するようになる。
#今日の30分 +2分。「イノベーションへの解」KindleでNo.4065まで。戦略策定プロセス。
戦略策定プロセスには2種類ある。意図的と創発的だ。これらが価値基準に影響を受けた資源配分プロセスによってフィルタされ、現実の戦略が生まれる。意図的プロセスは意識的で分析的、データに基づく「理屈で言えばこの戦略」というもの。それに対し、創発的プロセスはより戦術的で日常的に下す意思決定の積み重ねだ。不確実性に対処するためのもの。資源配分プロセスはこれらをインプットとして、現実に実行する戦略をフィルタリングする。資源配分プロセスはコスト構造や組織の成長ニーズを受けて形作られる。複雑、分散、アンコントローラブルなものだ。
#今日の30分 -2分。「イノベーションへの解」KindleでNo.3731まで。破壊的な新事業に適した組織と、新しい能力を生み出す。
資源、プロセス、価値基準のモデルによって、新事業の扱いを考える。軸としては適合性、自律性、組織構造だ。画期的だが持続的な場合、価値基準には適合しているが新しいプロセスが求められる。重量級プロジェクトチームが適す。破壊的な技術変化にはプロセス、価値基準の両方を変革しなければならない。自律的組織としてスピンアウトすると良い。
新しい能力をどう生み出すかを考える際にも、資源、プロセス、価値基準のモデルは役に立つ。生み出し方は2つ。作るか、買うかだ。
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「イノベーションへの解」KindleでNo.2850までの読書ログ #今日の30分 - 眠気と戦う日々 https://zakky-dev.hateblo.jp/entry/2023/09/03/234339
#今日の30分 -3分。「イノベーションへの解」KindleでNo.3343まで。魅力的利益保存の法則、破壊的成長能力を持つ組織。
バリューチェーン内で相互依存型アーキテクチャとモジュール型アーキテクチャ、それにコモディティ化と脱コモディティ化が同時並行で発生している。魅力的な利益を得るには「十分でない」場所が重要である。これらを組み合わせると、バリューチェーン内で魅力的な利益を得る機会は移動し続けると言える。これを指して魅力的利益保存の法則と呼ぶ。
イノベーションの失敗原因は、技術的なものではなく、組織やマネージャの選択失敗が挙げられることも多い。これは持続的イノベーションに対する能力が、破壊的イノベーションに対する無能力となることが原因の一つだ。これをより深く分析するため、能力を資源、プロセス、価値基準に分解して考える。
#今日の30分 -3分。「イノベーションへの解」KindleでNo.3243まで。ブランドの価値。
ブランドが価値を発揮する条件とは、「まだ十分でない」状態であることだ。どの製品を選んでも変わらないのなら、ブランドに意味はない。ブランドが意味を発揮するのは、「そのブランドの製品なら安心できる」という性能に対する不安の解消だからだ。性能が横並びであることが自明なら、ブランドは無価値化する。
また、コモディティ化と脱コモディティ化のプロセスを考えてみれば、ブランドが力を発揮する場所も移動し続けることがわかる。
#今日の30分 -3分。今日分。「イノベーションへの解」KindleでNo.3087まで。ROA最大化とコア・コンピタンスのデス・スパイラル。
コモディティ化と同時に脱コモディティ化は発生する。しかしこれを見落とすことは多い。なぜならROA最大化の圧力と、属性に基づくコア・コンピタンスへの集中によって、脱コモディティ化に対応することが難しいためだ。ROAを最大化する上で、分子はほぼ不可能だ。そのため分母の圧縮、モジュール化した製品の一部を切り離すような行動につながる。しかしこれは、切り離された先の企業に破壊の余地を与えてしまう。「自社のコア・コンピタンスではないから」といって切り離し、破壊される。
コア・コンピタンスとは得意な業務ではなく、顧客が高く評価する業務だ。新しい物事を学び、何が評価されるか見極め、そこを握りつつ資産を圧縮する。
#今日の30分 -1分。昨日分。「イノベーションへの解」KindleでNo.2937まで。脱コモディティ化のプロセス。
コモディティ化と同時に、脱コモディティ化もバリューチェーン上で発生する。モジュール型の収益は、高コストの競合と競っている間だけ大きくなる。似たコスト構造の企業と競えば、それに合わせて収益も減る。そのため、できるだけ早く上位市場へ移行し、高コストの競合を破壊し続けなければならない。この背景から、モジュール型破壊者に対し、性能を決定付けるサブシステムの供給する企業は、できるだけ高性能なサブシステムを作ることで収益向上が見込めるようになる。こちらでは相互依存的な製品が重要だ。
こうした関係から、コモディティ化と脱コモディティ化は、同時にバリューチェーン上で発生する。
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「イノベーションへの解」KindleでNo.2850までの読書ログ #今日の30分 - 眠気と戦う日々 https://zakky-dev.hateblo.jp/entry/2023/08/27/235427
#今日の30分 -3分。「イノベーションへの解」KindleでNo.2850まで。コモディティ化のプロセス。
コモディティ化は6段階のプロセスからなる。まず破壊的製品の誕生。新市場が発生し、ニーズに応える「十分でない」製品によって席巻する。その製品はローエンド市場から侵入し、技術改良の結果、そこの利用能力を追い抜いてしまう。こうして競争基盤は変化し、モジュール型への進化が促され、産業の非統合化が進み、顧客にとって差別化困難な製品がありふれるようになる。破壊とオーバーシューティングがコモディティ化をもたらす。
#今日の30分 -2分。「イノベーションへの解」KindleでNo.2717まで。再統合の推進要因、アーキテクチャ戦略。
顧客のニーズも変化する。そのため、これまで性能過剰だった状況が、性能不足になることはある。このとき、モジュール型から相互依存型へと再統合するモチベーションとなる。そしてバリューチェーン上でこうしたことはよく発生するため、完全な統合型、特化型の企業は存在しない。
アーキテクチャ戦略は、自社の置かれている状況によって適切なものを選ぶべきだ。機能性と信頼性が十分なら、モジュール型を。そうでないなら統合型を。見極めるには指定可能性、検証可能性、予測可能性の3つの条件を見極めること。
#今日の30分 +1分。「イノベーションへの解」KindleでNo.2554まで。オーバーシューティング、統合化とモジュール化。
技術の改良は顧客の利用能力よりも速く進む。そのため、製品の性能はいずれ利用能力を超える。こうなったとき、顧客はその超過分に割増価格を支払うことはない。この流れの背景には、相互依存型アーキテクチャによる製品の持続的向上がある。そして利用能力を超過してからは、相互依存型からモジュール型への動きが生まれ、モジュール化した部分に特化した企業が生まれ、成長していく。この特化型企業が、最終的には元々の企業を破壊する。
#今日の30分 「イノベーションへの解」KindleでNo.2439まで。事業範囲。何を自社で作り、何を外部に委託するか。採用すべきアーキテクチャはどういったものか。
基本的な方針は、事業の中核を自社、そうでないものを外部委託することだ。しかし、何が中核になるかわからないことも多い。中核的になるか、周辺的になるかのメカニズムを理解する必要がある。ここでも、問うべきことは「顧客の片付けたい用事」だ。将来の顧客が何を必要とし、そのために今と将来に習得すべきものはなんなのかを特定する。そしてそのために、性能の軌跡グラフにおいて、現状顧客が求める性能に対し、製品が十分か不十分かを見る。
性能が不十分な場合、重要なのは性能を強化することだ。これに有効なのは相互依存型アーキテクチャ。機能面と信頼面での性能最適化に向いている、ある種密結合な状態だ。とにかく性能的に優れた製品が必要なので、それを自社内で統合的に育てられる状態が望ましい。
#今日の30分 -3分。「イノベーションへの解」KindleでNo.2314まで。破壊的チャネルの必要性。
どの企業も収益率向上を目的として、上位市場への移行を目指す。製品の流通、小売をする企業も同じくだ。破壊的製品はこうしたチャネルの下流に位置する企業にとっても、自社の収益率向上に役立つためありがたい。しかし同時に、その製品がありふれてしまえば、収益率は低下し魅力は薄れる。そのため、さらなる収益率向上を目指して別製品を扱うなどは当然の選択だ。もちろん、その製品よりも収益率の低い、新しい破壊的製品ならなおさら。そのため、破壊的製品の提供側はチャネルを常に考えなければならなくなる。
#今日の30分 -3分。「イノベーションへの解」KindleでNo.2222まで。イノベーターのジレンマからの脱出、破壊的チャネルの必要性について。
新市場型破壊は、通常の資源配分プロセスにおいて採用が難しい。アイデアが排除されやすいためだ。これを解決するためには、資源配分プロセスにおいて、破壊的イノベーションは脅威として扱いつつ、自律的な組織をスピンアウトすることで、その組織内では機会として扱うと良い。とはいえ、批判は残る。その対策として、二つの資源配分プロセスを並行して走らせると良い。新市場型破壊のプロセスには、リスクと見返りではなく、パターンへの適合度合いを使う。
チャネルを「製品がエンドユーザーに届くまでの間にある全て」と捉える。このチャネルに属する企業は、対称的なモチベーションを持っており、揃って上位市場への移行を目指す。こうして捉えることで、チャネルの下流に属する企業は顧客と見なせなくもない。その場合、破壊的製品は彼らに受け入れられない可能性が高い。そのため、新しいチャネルが必要になることも多い。
#今日の30分 -2分。「イノベーションへの解」KindleでNo.2148まで。新市場型破壊のパターンと、実績ある企業が失敗する背景。
新市場型破壊には4つのパターンが見られる。無消費の顧客、「ないよりマシ」で十分な性能、シンプルで便利かつ安価、新しいバリューネットワークの構築。用事があっても金やスキルがない「仕方なく諦めている」顧客に、低性能でも用事を片付けるモノを、誰でも使えるようなシンプルで便利な形で、従来とは異なるチャネルを通して販売する。実績ある企業にとっては魅力の薄い市場で始まるために、そこを防衛するモチベーションが生まれない。
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「イノベーションへの解」KindleでNo.1950までの読書ログ #今日の30分 - 眠気と戦う日々 https://zakky-dev.hateblo.jp/entry/2023/08/20/205818