#信頼について (3)

誰が見ても上手くいくだろうと思われていたプロジェクトは、

なかなか進みませんでした。

それぞれがやるべきことを進めればあっという間にある程度の形ができたであろうことを。

その人は、とても回りくどいやり方を始めました。

まわりくどいというのは、そこで関わる人それぞれがお互いを相手に商売をやるように仕向ける仕組みを作り始めたんですね。

私はそこで自分の商売をする気は全くなく、ある程度スタッフがコーチングできるように育てて、その人も後進を育てられるようになってきたら、さっさと離れようと思っていたので、その人のやり始めたことにとても不信感を感じました。

それは他の集まった人々も同じだったようで、それがわかると一気に人が離れていきました。
もちろん私もですが。

要するに、その人は、信頼できる人々を集めたのに、その人自身が人を信じることができなかったために、全ては消えてしまったんですね。

その人が信頼できなかったのは、他者というより、自分自身ですね。
自分自身が、他者が自分を信じてサポートしてもらえる存在だということを信じることができなかったんですね。

#信頼について (2)
新しいプロジェクトに誘われ、私のやるべきことは、スタッフのみなさんにコーチングをお伝えすることでした。

その方は、さらにたくさんの関係する人を連れてきました。

それがまた、彼が連れてくる人はどの人もどの人も、錚々たる方々で、彼のアイデアを実現するのを手伝おうと純粋な気持ちで集まった人ばかりだったので、彼の人を見る目の鋭さと、その説得力に舌を巻きました。(私はまだまだ新米でしたが、私以外の方は本当にすごい経験の持ち主ばかりだったんです)

快調にスタートを切ったそのプロジェクトは誰が見てもしっかりと進んでいくように見えました。

彼がなぜこんなにいい人たちを味方につけることができたのか。
不思議になり聞いてみたことがありました。

そうしたら、以前、最後の最後に裏切られて騙されて、自分が作り上げたものを全部持っていかれた経験があると。
それで、人を頼む時はかなり慎重に見定めるのだと。

本当に彼が集めてくる人は誠実でとにかく心から応援したいと思って集まってきた人たちばかりでした。
誰が見ても上手く進むだろうと思われていたプロジェクトは…

つづく

#信頼について　(1)
昔、コーチングの仕事を始めて3年目ぐらいに、面白いプロジェクトにお誘いいただいたことがありました。
その人は、海外でその専門領域を進めていた実績もあり、その企業のスポンサーをつけるだけの説得力も持っていて、実際アイデアはとても面白いと思いました。

そして、なぜ私を選んだか理由を聞いたら、私のコーチとしての活動を見ていて、金儲け目当てでないことが伝わってくるからということでした。
まあ確かに、私は面白そうじゃないとどんなにお金になりそうでもやらないし金儲けが目的ではない。
そういう話も手伝って、その人にもそのプロジェクトにも、好感も可能性も面白さも感じたので、プロボノでもいいよという感じで手伝うことにしました。

ただ、私としては、ずっと関わる気はないので、できるだけ早くそのチームの中でコーチングできる人を育ててさっさとやめるつもりで関わり始めました。

つづく
#コーチング #人を信じるということ