#読了 ジョン・ディクスン・カー/三角和代(訳)『幽霊屋敷【新訳版】』#創元推理文庫
カーには毎回驚かされる。
http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488118501
わたしたちは石榴の中 http://ash-map767.riric.jp/lionbox/lion-TOP.htm
セミのなきがらを見る季節になると思い出す、糸森環先生ことiaさまによる短編(中編)小説。死後に樹木となる薬が開発・法律化された日本が舞台のお話。
#ハヤカワ文庫 や #創元推理文庫 あたりで書籍化してくれないかなと思っている……
『コリーニ事件』 #シーラッハ #創元推理文庫 #積読解消 #感想
かなり有名な作品で映画化もしているけれどネタバレ無で読めてラッキー。
初老の男が老人を殺す。しかもかなり残虐に。二人の間に接点は無し。新米弁護士の主人公は国選弁護人として割り当てられた後、被害者が亡き親友と初恋の人の祖父であり、また自分の恩人の人物だったと知る。
最初降りようとした彼に相手側弁護士であり先輩でもある人物に「君はある弁護人の依頼を引き受けた、それは君の過ちだったかもしれない。けれどその過ちは君のものであり、依頼人の過誤ではない。君は依頼人に責任がある」と諭されるシーンがある。ものすごく説得力のある言葉だなと思ったが作者が弁護士と後で知って納得。
事件そのものは明白で謎は何故この事件が起こったかということなのだが、それが解けた時外国人の私ですら胸がぎゅっとしたのだから本国の読者へ与えた影響はそれは大きいだろうなと思った。実際ドイツであることが起こったのはこれがきっかけと言われているらしい。
『ヴァイオレットだけが知っている』
子供達を集めたバスツアーで爆破事件が起きる。そこに過去爆破事件を起こした男の孫娘が乗車し疾走する。バスツアーの参加者の父親停職中刑事ビッシュが彼女の行方の捜査を指示される。
人種とルーツに対する偏見が下敷きになっている。祖父の起こした凄惨な事件に無関係だった他の家族も巻き込まれ共犯にされ人生を狂わされる。外見ではわからないがビッシュ自身も実はルーツはイスラム圏だ。
息子を事故で失い、その衝撃に耐えられず酒におぼれ、妻に去られ、娘は反抗期という本人自身やばい。後半、娘が父について「父は英国中の子どもを死なせないためならなんでもする」と評するようにビッシュは最後まで子供の味方だ。ずれているところもあるがその誠実さは子供たちに多かれ少なかれ届くようになる。ビッシュが中心に語られるが子供たちの悩みや葛藤が丁寧に書かれているところがYA作家らしい。ヴァイオレットやビーだけではなく他のツアー乗員の描写のしっかりしている。
後強い女性達の描写もよかったな。皆凛々しいので似ちゃうところはあったが。
#感想 #創元推理文庫 #読書