『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬
…そして読みながらどうしても、現在進行形のロシアのウクライナへの侵略を思い起さずにはいられません。ロシアがいまだに喧伝する対ナチス戦とはまさにこのことであり、周辺国への威圧的な考え方も含めて、ロシアの本質が変わっていないことを認識させられます。「ロシア、ウクライナの友情は永遠に続くのだろうか」との主人公の問い掛けは、本書が2021年に刊行されていることを踏まえると、予言的にさえ思えます。
内容的に多くの要素が詰まっている一方で、文学作品としては微妙な気もしました。大きな一因には、会話以外の文章の大半が一文毎に改行されていて、流れが阻害されてむしろ読みづらくなっていることがあります。また、交わされる会話の口調が少々漫画チックで、軽く感じられることもありました。私には、どうもすんなりと頭に入って来づらい、苦手な文体でした。
[2023/07/17 #読書 #同志少女よ敵を撃て #逢坂冬馬 #早川書房 ]
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