詳しいことまでは分からないけれど、同図書館のサイト、
Climate Future (West Vancouver Memorial Library)
https://westvanlibrary.ca/events/programs/climate-future/
を見ると、環境問題に関する作品がある作家を数ヶ月間招聘して、一緒に様々なイベント等の取組みを行う、といった感じのものらしい。
小説を題材にしたプログラムなどもある感じ。社会問題と小説は実際には色々なテーマで結びついているのだけれど、図書館が作家を巻き込んで、そのテーマを取上げていく取組み、というのは、なるほど、という感じ。
国際図書館連盟(IFLA)、「グリーンライブラリー賞/グリーンライブラリープロジェクト賞2023」の受賞館を発表:コロンビア・EPM図書館とカナダ・ウェストバンクーバー記念図書館(カレントアウェアネス・ポータル)
https://current.ndl.go.jp/car/192323
2023年世界図書館情報会議・国際図書館連盟(IFLA)年次大会で発表された、図書館の環境問題に関する取組み(図書館自体の省エネ化と、市民向けの環境問題に関するプログラム等の両面あり)を対象にした賞。
注目は、グリーンライブラリープロジェクト賞のウエストバンクーバー記念図書館(West Vancouver Memorial Library、カナダ)で、IFLAのサイトによると、
“Climate Writer in Residence at the West Vancouver Memorial Library: A Novel Solution”
という取組みで表彰されていて、これは面白そう。
どうやら、本の撤去に懸念を表明した図書館長が解雇されたりしている様子。
ALAはどの本を図書館に入れろ、と言っているわけではなく、どの本を図書館に置くかを決めるのは図書館自身であるべき、という、専門的職能の独立性を主張しているわけなのだけど、まさにその独立性をこそ解体しようとする動きが進みつつある感じ。
Conservative book ban push fuels library exodus from national association that stands up for books (AP)
https://apnews.com/article/library-book-ban-association-withdraw-7f5743a9e464433a745697f9111d7f6b
人種差別やLGBTQ+をテーマとした本を主なターゲットとして、性的な描写を含むという理由で、学校図書館や公共図書館の児童書・ヤングアダルト棚から排除する法律が成立した州の図書館が、アメリカ図書館協会(ALA)から脱退しつつある、という話の模様。
ALAは、当然こうした禁書には反対の姿勢を一貫して取っているし、
米国図書館協会(ALA)、LGBTQIA+の図書館職員への差別を非難する声明を発表(カレントアウェアネス・ポータル)
https://current.ndl.go.jp/car/192070
といった姿勢でもあり。
それに対して、州法に沿った運営を進めるために、そうした州法が成立した州では、独立した図書館専門家による運営から、州政府主導の運営形態に移行しつつある様子。
参加しなかったけど、
Code4Lib JAPAN Conference 2023
https://wiki.code4lib.jp/wiki/C4ljp2023
の講演や発表で、資料が公開されているものを眺めたり。
C4ljp2023/presentation
https://wiki.code4lib.jp/wiki/C4ljp2023/presentation
デジタルアーカイブ絡みでは、
基調講演2 永崎 研宣 氏 「理想の"デジタルアーカイブ"構築奮闘記」
https://docs.google.com/presentation/d/1xb2GjFWcMa_zvS2VMKsBtFgD2KFbd35o7Z9KOibgk_E/edit?usp=sharing
異世界文化財探索者の冒険ー未知の可能性への道を照らすGISー(発表者: 高田祐一)
https://researchmap.jp/ytakata/presentations/43303828
#デジタルアーカイブクイズ(発表者: 江上敏哲)
https://egamiday.sakura.ne.jp/egamiday3plus/20230902/114/
大江健三郎文庫デジタルアーカイブ・データベースを支える技術(発表者: 大向一輝)
https://docs.google.com/presentation/d/1WM4pes_h9jLcRq4kwiKlUyUKBLIlK2IWjg43FRjGf78/edit?usp=sharing
あたりは割と必見かも。
他の発表資料もなかなか面白いので、図書館とITの接点に関心のある方は見てみるとよいのではないかと。
This Summer, I Became the Book-Banning Monster of Iowa (The New York Times)
https://www.nytimes.com/2023/09/01/opinion/book-ban-schools-iowa.html?unlocked_article_code=0i_Q92KbDwPM1JnKycVQF5phmA0Rvo9MqJTa7wDy2VHPhdqcnpOX-4jPO18wFS9VijiD8aWjqcXdnaxZlmo1z4ce9dsc4Fn8SiMRNR6LGozi_jCfNJrkyIquX61P0Z3ymqJuk7WzmNRcDOpgb6UjI4kx6CjPHfTXbG6KxARJjUZ9IwGUx7NuW_R0v4SReYbEM-Cp2b97Zfo6wUUWmQMfsL2d1Z3ym_7GeJUX-nvJQKg0E_R6zwxGMLRSk2BWUV3gw-LEXpdfcLgwuhHFfZKHuOqLouwWc-LAgC0tJD4XVxiGfuszVDU9DQWzrq65gY3_xyk3HyrNg3NM7do4KqMC&smid=url-share
30日間限定のギフト記事。
アイオワ州で成立した法に基づき、学校図書館から、法に規定された性描写のある本を取り除く対応を行った図書館員による寄稿の模様。禁書がいかに馬鹿げたことかと語りつつ、ChatGPTのサポートを得ることで法の定める対応を期日までに行うことが可能となり、また、無関係な本を巻き添えにすることを避けることにもつながった(ので、AIを使ったこと自体に対する批判はちょっと違うのでは)、といった内容かと。
悪法も法であり、従わなければ運営ができない、という状況がある一方で、具体的な対応手段についてまったくサポートが得られず、AIの助けで何とか図書館の運営を継続することかできた、ということか……
何とも複雑。
東京大学附属図書館、令和5年度特別展示「図書館に眠る震災の記憶」を開催:電子展示サイトも公開(カレントアウェアネス・ポータル)
https://current.ndl.go.jp/car/192039
東大(本郷)の図書館は、関東大震災で焼けているので、その関連資料も色々あり。
電子展示はジャパンサーチのギャラリー機能を活用。
機械学習とWorldCat:書誌レコードの改善に向けたOCLCの取組(記事紹介)(カレントアウェアネス・ポータル)
https://current.ndl.go.jp/car/190935
「機械学習を用いて重複レコードの特定を目指す取組」の紹介とのこと。読んでおかなくては…
学びの場が”街のリビング”に大変身! ハリファックス発、これからの図書館のあり方を提案する「Halifax Central Library」(greenz.jp)
https://greenz.jp/2023/08/24/halifax_central_library_2023/
日本だとそれだけで叩かれそうなガラス張りっぷり。コミュニティスペース重視の作りだけど、公式サイトのPhoto Galleryを見ると、書架もちゃんとある感じ。
たまには仕事絡みのお知らせを。
来年(2024年)1月に、国立国会図書館の主要検索サービス、NDLオンラインとNDLサーチを統合した、新しいNDLサーチを公開します。ちょっと早いですが、色々変わるので予告ページを公開しました。
「国立国会図書館オンライン」及び「国立国会図書館サーチ」の統合・リニューアル
https://www.ndl.go.jp/jp/use/2024renewal/index.html
UIを全面的に見直しているので、昔ながらのいわゆるOPACに慣れているとかえって戸惑うかもしれません。
APIなども変更があるので、使われている方は、早めにご確認いただければ。
API機能に関するサービス影響・変更点について
https://iss.ndl.go.jp/information/2024renewal-api/
国際図書館連盟(IFLA)、2024年の世界図書館情報会議(WLIC)・IFLA年次大会の開催地は変更せずと発表(カレントアウェアネス・ポータル)
https://current.ndl.go.jp/car/190344
IFLAのWLIC2024をドバイで開催することが再確認された件、カレント-Rでも記事になりましたね。「LGBTQ+をテーマとしたトピックがWLICのプログラムから除外される」ことに対する懸念が大きな論点であったことも紹介されてます。
"We are aware that this decision will be both welcomed and condemned."
という一文からも、運営委員会メンバーの苦悩がうかがえる。
最終的には中東での開催とそれによるこれまで参加できなかった国々からの参加を重視した、ということだろう。
特に反対側が特に問題としたLGBTQ+に関するテーマを、様々な議論の中にどう折り込むか、という検討を続ける、といった話もあり、主催国側との調整を今後も続ける意向の模様。
どちらを選んでも苦しかったとは思うが、欧米とそれ以外の地域の全面対立という構図を避けるには、まずはドバイで開催という線は外せなかったように思う。今回のことが今後どのようにIFLAの活動や議論に反映されていくのか、引き続き見ていくようにしたい。
2024年の世界図書館情報会議(WLIC)・IFLA年次大会をドバイで開催することについての投票を受けて、IFLAの運営委員会がドバイでの開催を改めて確認したとのこと。
IFLA Governing Board decides on WLIC 2024
https://www.ifla.org/news/gb-decides-on-wlic-2024/
投票結果のまとめ(PDF)も公表されている。
https://www.ifla.org/wp-content/uploads/advisory-referendum-dubai-results-1.pdf
総数では反対の方が多いのだけれど、反対は欧州、南北アメリカが多く、アジア・中東・アフリカは賛成が多い、という明確に地域によって結果が分かれる形になっている。
丸善の『図書館情報学事典』 https://www.maruzen-publishing.co.jp/item/b304955.html 、一部のオンライン書店で電子版もあったので思い切って購入したものの、固定版面で、検索対象は目次で見出しが立っている部分のみ、という微妙な仕様。まあ、持ち運びが楽なのはありがたいが、目次や索引から当該ページへのリンクすらない、というのはわりとがっかりポイントではあり。
“The library is at once a sanctuary of the world’s knowledge and a canvas of a nation’s failings.”
という一節が印象的。
知られざる地元写真家の作品の収集など、コレクション構築についても言及されていて、米国の公共図書館の、世界の知識を集めたサンクチュアリでもあり、また、国の失政の結果を写すキャンバスでもある、という二つの側面が語られている。
Narcan, citizenship and therapy: L.A. public library has changed with the times (Los Angeles Times)
https://www.latimes.com/california/story/2023-08-09/city-librarian-oversees-a-sanctuary-of-the-worlds-knowledge-and-a-canvass-of-a-nations-failings
ロスアンジェルス中央図書館館長へのインタビューを中心に、同図書館の多様な活動と、直面する様々な社会的問題について紹介する記事。ホームレス、薬物中毒への対応など、図書館が様々な社会問題の最前線にあることが語られている。例えば、ホームレスの人々にスマートフォンを充電するための電源を提供することは”a social service issue”だ、と語られたり、移民が市民権を獲得するための支援をする図書館のプロジェクトが紹介されている。
また、地元の独立系出版社の買収交渉も進めているとのこと。地域の声を伝えるとともに、雇用を守り、地元経済も支えようとする取組みの模様。
韓国図書館協会(KLA)など、「図書館に対する一切の検閲の反対と、知的自由を守るための声明書」を発表(カレントアウェアネス・ポータル)
https://current.ndl.go.jp/car/190051
「韓国内で最近、女性家族部が選定した性自認や人権に関する児童書等を所蔵する図書館に対し、一部団体が閲覧制限や廃棄を要求する例がある」ことが背景とのこと。米国と同様の動きが韓国でも起きている様子。
狭山市の図書館司書解雇の件、「資料費の臨界点」を実感させる出来事。ある額の資料費を用意しなければ、図書館は見向きもされず資料費は無駄になると書いたのは中小レポートだったか市民の図書館だったか
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