『川のほとりに立つ者は』寺地はるな
主人公であるカフェ店長の女性は、恋人が誰かと喧嘩して意識不明の重体に陥り集中治療室にいることを知らされます。その前から別れ話が出ていた二人でしたが、この事件を契機に主人公は、恋人が抱えていた秘密の真相を少しずつ知ることになります。そこには、恋人とその親友に関わる多く人々が絡み合っていました。これらの人々と関わり合いながら、主人公は自身の思い込みによる弊害を思い知らされることになるのです。
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小説の最後は、やや楽観的に過ぎる気もしましたが、こうあって欲しいとの願い通りでもありました。
[2023/07/26 #読書 #川のほとりに立つ者は #寺地はるな #双葉社 ]
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『水を縫う』寺地はるな
手芸を趣味とする故に周囲から浮いている男子高校生の弟と、可愛いものや綺麗なものに嫌悪感を抱く学習塾勤務の姉、自身の母性の無さに苛立ちがちな役所勤務の母親と、同居する祖母、そしてやはり父性のなさ故に離婚された父親。ある時、姉の結婚が決まり、しかし華やかな式も衣装も大嫌いな姉に対し、弟は自身でウェディングドレスを手作りすることを勢いで宣言してしまいます。しかし姉の好みに合致したドレスを作り出すことができず、もどかしく行き詰まった弟は、やはり服飾作りを好む父親に協力を乞うことにするのでした。
男らしさ・女らしさ、妻らしさ・夫らしさ、母親らしさ・父親らしさ、などと言った固定観念の縛りから抜け出そうとする家族の物語です。多様性が重視されるようになって来たように思える現代においても、現実には、それが普通とか、そうでないと世間体が悪いとか、悪い意味での古典的な価値観を押し付けられる場面は多々あります。私自身も…
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