四海波静にて、国も治まる時つ風。枝を鳴らさぬ御代なれや。あいに相生の、松こそめでたかりけれ。げにや仰ぎても、事もおろかやかかる代に、住める民とて豊かなる。君の恵みぞありがたき、君の恵みぞありがたき。
高砂の、尾上の鐘の音すなり。暁かけて、霜は置けども松が枝の、葉色は同じ深緑。立ち寄る蔭の朝夕に、掻けども落ち葉の尽きせぬは、真なり松の葉の散り失せずして色はなほ、真折の葛ながき世の。喩えなりける常磐木の、中にも名は高砂の、末代の例にも、相生の松ぞめでたき。
#能楽 #能 #Noh #高砂 #小謡
#小謡 #高砂 #noh #能 #能楽