エドワード・ゴーリーを巡る旅
@渋谷・松濤美術館
https://shoto-museum.jp/exhibitions/199gorey/
5/26金観覧。ゴーリーの展示は何度か観ているが、これほどまとまった数の既刊本の原画を見たのは初めてだった。なかでも強く胸に迫ってきたのが、2020年発表の、バレリーナを題材にした『金箔のコウモリ』の原画だった。街で拾われた少女がバレエと出会ってバレリーナとしての頂点に立つが、成功とは裏腹に彼女の日常はいつも侘しかった、というお話に、すごく自分自身と重なるところを感じてしまった。
大きな成功ではないが、地元にいたままだったらすれ違うことすらできなかった人々にたくさん出会えた。そんな恵まれた人生なのに、心の中はいつも乾いている。出会った人々の顔ぶれは確かに凄かった。では、お前の価値は?…と、もう一人の自分が常に問いかけてくるような……ひとからは決して見えない苦しい人生を送ってきた。
ゴーリーの絵は、自己の中に巣食うネガティブな部分を照らす鏡だと思う。6/11日まで。
#art #edwardgorey #松濤美術館 #展覧会日和
伝説のファッション・イラストレーター 森本美由紀展
@根津・弥生美術館
https://www.fashion-press.net/news/99517
5/16火鑑賞。セツ・モードセミナー直系のスタイルを貫いた森本さんの回顧展。パレットクラブスクール在籍時代、森本先生のセツスタイルによるモデルデッサン講座を体験して衝撃を受け、他の講座にも通うようになった。
ペーターズギャラリーコンペで受賞した時、ぼくの絵を選んでくださったのも森本さんだった。ピチカート・ファイヴなどのジャケットを飾るイラストがあまりに好きすぎて、当時デザインを担当していた矢野顕子さんのツアーパンフに1点描いていただいたこともあった。本当に憧れの先生であり、森本さんが残した作品は今でもずっと輝いていて、同じ世界にいないことが嘘のよう。
渋谷系の時代のイラストだけでなく、今回の展示では幼少時から書の作品まで全ての時代の作品が網羅されている。6/25日まで。
Geoff McFetridge BELIEF IN SPRING (ASLEEP UNDER ICE)
@明治神宮前・Gallery Target
https://www.gallery-target.com/2023/04/11/0-%E3%82%BC%E3%83%AD-by-skoloct/
4/22土鑑賞。神宮外苑のデモに行く前に立ち寄った。ギャラリーが原宿のUA近くから移転後、最初の展示だった。
ジェフ・マクフェトリッジを知ったのは映画『ビューティフル・ルーザーズ』や雑誌『relax』に出ていた頃なので、もう随分昔になる。今回のシリーズでは、人間と自然(動物)の境界を曖昧にするような作品が多数描かれていた。1階に大判のドローイングと立体、地階にも制作途中のラフスケッチなどが展示されている。
最近、絵本ではない表現の中に絵本的な要素を見出すことに凝っていて、これらの作品もそういうものとして受け取った。5月13日(土)まで開催。
石川直樹 K2 / Broad Peak / Nanga Parbat
@渋谷・SAI
https://www.saiart.jp/exhibition/exhibition19/index.html
1/31火鑑賞。写真家の石川直樹さんが2022年夏のヒマラヤ登頂時に撮影した写真が、THE NORTH FACEの協賛により原宿〜渋谷の複数の会場で展示されている。今回観たのは渋谷。標題の3つの山の登頂時の写真と、現地で拾ったきれいな石が展示されている。
ミヤシタパークは頻繁に行く場所ではないが、展示空間の意外な広さに驚いた。ちょっとした美術館に匹敵するほどの充実感があった。大判の写真にはどこまでも深く没入できるし、スナップを少し引き伸ばしたたくさんの写真は旅の小さな喜びを伝えてくれる。くっきりと広がるヒマラヤの山々を見ていると、己の小ささを感じた。これこそがまさに旅の醍醐味。
今回の展示作品は、SLANTほかから写真集として刊行されている。受付で貰ったリーフレットには、ヒマラヤ登頂の記録と写真、展示の詳細が美しくまとめられていた。(再)
killdisco exhibition|Happenstance
@代官山・Luft MUSEUM
https://lurfmuseum.art/blogs/past-exhibitions/killdisco2022
1/27金鑑賞。代官山蔦屋書店への通り道でたまたま見つけて中に入った。ギャラリーの存在自体はネットで見て知っていたが、こんなに入りやすい場所にあるとは知らなかった。店内は広くて、喫茶スペース主体のゴージャスな内装。
killdiscoさんの名前も前から聞いてはいたけど、今回初めてちゃんと作品を観た。とても絶妙な線で描くイラストレーター。コマーシャルな仕事もたくさんしていて( #RYUTIST のヴィジュアルなど)、どれも一貫して完成度の高さが感じられる。
展示名の「Happenstance」は、偶然の巡り合わせを指す言葉だそうで、今回この展示を知ったきっかけと全く同じ。10年以上ほぼ毎月続けてきた、行きたい展示を事前にチェックしてから出かける習慣を、しばらくやめてみようと思った矢先だったのでラッキー。(再)
#ryutist #art #killdisco #展覧会日和
坂本龍一『12』リリース記念ギャラリー
@代官山蔦屋書店
https://store.tsite.jp/daikanyama/event/art/31106-1500020111.html
1/27金鑑賞。アルバムリリースにあたってのいわゆるフェアであり、厳密には「ギャラリー」ではないのは承知していたが、今回のアルバムが好きすぎて毎日聴いていることもあり、久しぶりに代官山まで足を運んでみた。事務所が外にあった頃は、足を伸ばして代官山の蔦屋書店までよく通っていた。
写真がトレペに印刷され、部分的に重ねて貼られているのが洒落ていると思った。ほかにグッズや音源の販売も。
『12』のアルバムアートワークは、もの派の作家・李禹煥が手がけている。李禹煥は教授の敬愛する芸術家で、フランスのポンピドゥー・センター・メス(パリの分館)での個展に教授がBGMを提供するなどの交流がこれまでにもあったという。
今回、李禹煥関連の展示はなかったが、『12』に内在する喜びにも悲しみにも支配されない感覚は、李禹煥の作品にも共通するものではないかと改めて思った(新国立美術館の李禹煥展に行かなかったのを今更後悔している)。(再)
junaida展「IMAGINARIUM」 @PLAY!MUSEUM(立川)
https://play2020.jp/article/junaida/
1/12木鑑賞。妻と娘がジュナイダの絵本が好きで、家にあったのを何冊か読んでいた。
絵本原画のほか、画集、広告、装幀に使われた作品が400点。どれも緻密な描き込みに目が奪われるが、絵のサイズが小さい上に展示が密集しているため、駆け足で観ていくとあっという間に終わってしまう。
1つ1つの絵にかける執念が物凄くて、このエネルギーはどこから来ているのか、小さい頃の絵やここまでの歩みをもっと知りたくなった。公式の図録よりも、広告やポスターの仕事など様々な作品が俯瞰できる画集『I'M ME』(玄光社)がおすすめ。
……後から知ったのだが、展示会場の最終部屋の本棚の背表紙に、彼が影響を受けた人物名が書き込まれていたらしい。daft punk、THE BLUE HEARTS、AKIRA TORIYAMA、HARUOMI HOSONO、WES ANDERSON、etc…。もっとしっかり見ておくんだった。(再+)
石川直樹 K2 / Broad Peak / Nanga Parbat
@渋谷・SAI
https://www.saiart.jp/exhibition/exhibition19/index.html
1/31火観覧。石川直樹さんが2022年夏のヒマラヤ登頂時に撮影した写真が、THE NORTH FACEの協賛により原宿〜渋谷の複数の会場で展示されている。今回観たのは渋谷。標題の3つの山の登頂時の写真と、現地で拾ったきれいな石が展示されている。
ミヤシタパークは頻繁に行く場所ではないが、展示空間の意外な広さに驚いた。ちょっとした美術館に匹敵するほどの充実感があった。大判の写真にはどこまでも深く没入できるし、スナップを少し引き伸ばしたたくさんの写真は旅の小さな喜びを伝えてくれる。くっきりと広がるヒマラヤの山々を見ていると、己の小ささを感じた。これこそがまさに旅の醍醐味。
今回の展示作品は、SLANTほかから写真集として刊行されている。ギャラリーの受付で配布しているリーフレットには、ヒマラヤ登頂の記録と写真、THE NORTH FACEとのタイアップによる展示の詳細が美しくまとめられているので、ぜひ手に入れてほしい。
killdisco exhibition|Happenstance
@代官山・Luft MUSEUM
https://lurfmuseum.art/blogs/current-exhibitions/killdisco2022
1/27金観覧。最初から行くつもりではなく、蔦屋書店への通り道でたまたま見つけて中に入った。ギャラリーの存在自体はネットで見て知っていたが、こんなに入りやすい場所にあるとは知らなかった。店内は広くて、喫茶スペース主体のゴージャスな内装。
killdiscoさんの名前も前から聞いてはいたけど、今回初めてちゃんと作品を観ることができた。とても絶妙な線で描くイラストレーターだと思った。コマーシャルな仕事もたくさんしていて( #RYUTIST のヴィジュアルなど)、どれも一貫して完成度の高さが感じられる。
展示名の「Happenstance」は、偶然の巡り合わせを指す言葉だそうで、今回この展示を知ったきっかけと全く同じ。10年以上ほぼ毎月続けてきた、これから行きたい展示をチェックしてから出かける習慣を、しばらくやめてみようと思った矢先だったのでとてもラッキー。
#展覧会日和 #killdisco #RYUTIST #art
坂本龍一『12』リリース記念ギャラリー
@代官山蔦屋書店
https://store.tsite.jp/daikanyama/event/art/31106-1500020111.html
1/27金観覧。アルバムリリースにあたってのいわゆるフェアであり、厳密には「ギャラリー」ではないのは行く前から承知していたが、今回のアルバムが好きすぎて毎日聴いていることもあり、久しぶりに代官山まで足を運んでみた。事務所が外にあった頃は、足を伸ばして代官山の蔦屋書店までよく通っていた。
写真がトレペに印刷され、部分的に重ねて貼られているのが洒落ていると思った。ほかにグッズや音源の販売も。
『12』のアルバムアートワークは、もの派の作家・李禹煥が手がけている。李禹煥は教授の敬愛する芸術家で、フランスのポンピドゥー・センター・メスでの個展に教授がBGMを提供するなどの交流がこれまでにもあった。
今回、李禹煥関連の展示はなかったが、『12』に内在する喜びにも悲しみにも支配されない感覚は、李禹煥の作品にも共通するものではないかと改めて思った(新国立美術館の李禹煥展に行かなかったのを今更後悔している)。
🎹坂本龍一『12』リリース記念ギャラリー
@代官山蔦屋書店
https://store.tsite.jp/daikanyama/event/art/31106-1500020111.html
1/27金観覧。アルバムリリースにあたってのいわゆるフェアであり、厳密には「ギャラリー」ではないのは行く前から承知していたが、今回のアルバムが好きすぎて毎日聴いていることもあり、久しぶりに代官山まで足を運んでみた。事務所が外にあった頃は、足を伸ばして代官山の蔦屋書店までよく通っていた。
写真がトレペに印刷され、部分的に重ねて貼られているのが洒落ていると思った。ほかにグッズや音源の販売も。
『12』のアルバムアートワークは、もの派の作家・李禹煥が手がけている。李禹煥は教授の敬愛する芸術家で、フランスのポンピドゥー・センター・メスでの個展に教授がBGMを提供するなどの交流がこれまでにもあった。
今回、李禹煥関連の展示はなかったが、『12』に内在する喜びにも悲しみにも支配されない感覚は、李禹煥の作品にも共通するものではないかと改めて思った(新国立美術館の李禹煥展に行かなかったのを今更後悔している)。
https://play2020.jp/article/junaida/
1/12木観覧。妻と娘がジュナイダの絵本が好きで、何冊か家にあったのを読んでいた。
絵本原画のほか、画集、広告、装幀に使われた作品が400点。どれも緻密な描き込みに目が奪われるが、絵のサイズが小さいうえに展示が密集しているため、駆け足で観ていくとあっという間に終わってしまう。
1つ1つの絵にかける執念が物凄くて、このエネルギーはどこから来ているのか、小さい頃の絵やここまでの歩みをもっと知りたくなった。公式の図録よりも、広告やポスターの仕事など様々な作品が俯瞰できる画集『I'M ME』(玄光社)がおすすめ。
会場内やモールの飲食は高価だったので、すぐ近くのIKEAでプラントカレーとドリンクバーを昼食にした(約500円)。