小平市平櫛田中彫刻美術館の特別展「生誕150年　平櫛田中展」を観ました。ご近所すぎて行くのが最終日になってしまった。細部まで再現された現実感のある人物像を彩色木彫などで作った作品で知られる、日本近代彫刻の巨匠の回顧展。田中のコレクションはもともと充実している美術館ですが、各地の美術館から集まった作品を中心にその足跡が辿れるような構成になっています。
現実の人物をモデルにすることが多いし、それらの特徴を捕まえる解像度が異様に高い。田中の場合はそれをそのまま作品にするのではなく、故事や伝説の登場人物として現前させるので、フィクションに現実感を与える際にフル活用される。現在のアニメやキャラクターのフィギュアも同様の存在だと思うのだけど、それらが作り込まれてもフレームのあっち側にあるように感じられるのに比して、田中の作品がこちら側の存在として感じられるのは、大きさだけでない、彫刻の力というやつなのだろうか。
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