【茨城県謡曲古跡めぐり掌編集】1箇所目
新作能「将門」
國王神社
《 坂東市岩井 》
「国王神社縁起」及び「元享釈書」によると、将門最後の合戦の時、三女は奥州恵日寺に逃れ、出家して如蔵尼と称しました。将門の死後33年目に郷里に戻り、この地に庵を結び、森の中から霊木を見つけ、一刀三拝して父将門の像を刻み、小祠を建てて安置し、将門大明神と号して祀る
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【二分割 ②】
能楽『海 霊』
船長 宮越賢治 作詞編集
二十五世 観世元正 作曲
《後半部分》
四方(よも)の海、みな同胞(はらから)とおもふ世に など波風の立ちさわぐらむ
あら有難(ありがた)の折からやな 和(やわ)らぐ光仰がんと 現はれ出(い)でし海霊(かいれい)なり
過ぎにし昭和の戦ひに 海の藻屑と沈み果て 波も音無き水底(みなそこ)に 眠る月日も幾歳(いくとせ)か 照らす光を三浦なる 観音崎の汀(みぎわ)にて、引くや綱手(つなで)も厳(おごそ)かに現れ出づる記念碑を、諸人(もろびと)集(つど)ふ目(ま)のあたり、今見る事の嬉しさよ
安らかにねむれわが友よ 波静かなれ とこしえに
瑞雲(ずいうん)棚引(たなび)く舞の袖 瑞雲棚引く舞の袖 碧(みど)りの海も静まりて 平和の光明(あき)らけく 碑の面(も)のいよゝ輝けば 人の心も和(なご)みつゝ 千代(ちよ)萬代(よろずよ)と榮えなん 萬代かけて 榮えなん
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【二分割 ①】
能楽『海 霊』
船長 宮越賢治 作詞編集
二十五世 観世元正 作曲
《前半部分》
斯様に候者(は)ハ、去(さん)ぬる昭和十二年七月以来の闘ひにて、海運水産界の船に乗り、戦火の中を活躍の中(うち)、不幸海に失はれたる、船員の遺族にて候。
さきに財団法人戦没船員の碑建立会により、其の霊を慰め、再び斯様の悲みを繰返さず、世界の平和を祈りのため、観音崎に記念碑を建て、後の世までも人々に忘れられず、語り傳へらるゝ。
此度戦没船員の碑奉賛会による追悼の儀式に招かれたはまことに忝(かたじけな)い事でござる、急ぎ観音崎へ参らばやと存ずる。
いや何かという内に観音崎でござる。
扨(さて)もさても美しい景色じゃ、暫く此所に休らうで、追悼の儀を拝み申さばやと存ずる。
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