今夜も暗い箱の底で音圧に
骨が砕けるまで踏みにじられたい
夢を棄てた人が入れる不思議な場所
無力を思い知らされる明日を
少しでも遅らせるための
享楽という逆回しの竜頭に指をかける
光線に乗り襲ってくる刃のメロディ
ゆきずりの人たちとあおるショット
煙草の煙は身をよじる色情のダンサー
形なく流れていくものに埋め尽くされる
誰も過去を尋ねないし未来も語らない
虚像を貫くために真実を失くす事もない
自分の存在が消えていく今だけが
生きていると感じられる極夜がここにある
夢を棄てた人が入る事を夢見ると言う場所
https://note.com/masumiyutaka/n/nd5398a7a0484
#言葉のアパルトマン #詩 #散文 #言葉
人を人とも思わない
そんな国があるという
泣きはらして目を赤くした人が
流れ出る血で赤く染まった人が
テイルランプのように流れていき
次々と暗闇に吸い込まれて
いない事にされてしまう
そんな緩やかな虐殺を行う国があるという
https://note.com/masumiyutaka/n/n034749d324da
#言葉のアパルトマン #詩 #散文 #言葉
『マシューと夕の町』
暦だけ先行く町に いたりする
からだの芯にまだ冷たい季節が残っているのに 町は勝手に夏日になった
夕焼けちょっと前のひかりが 駅前商店街に溢れてきて 空が焼けるよりも早く色づきをしていく
家路にはその色の 輝かしいカーペットが敷かれている
わたしに帰る気持ちがなくても どのみち道は家路で帰る道
店先でねぎを積み増すおじさんの頭に 蜜色の光が当たっている
水飲み場ではしゃぐ声と 道端に置かれているランドセルと そこにネコ
わたしの芯はまだ冷たくて 皮膚の外だけ暑くなった町を帰っている
ばっと鳩が飛び立ったあとに 砂礫やガラス片が残っている
そこに ひときわ目立つ白いものが転がっていて 妙に白いそれは なんか大っきいマシュマロっぽいやつで でも つま先で突いてみると 普通に硬いだけの石だった
わたしはその石に名前を付けることにした
名前は「マシュー」
「マシュー!」と名前を呼びながら わたしは石を蹴っ飛ば……( https://note.com/reijimix/n/ne156f59f3110 )
『マシューと夕の町』
暦だけ先行く町に いたりする
からだの芯にまだ冷たい季節が残っているのに 町は勝手に夏日になった
夕焼けちょっと前のひかりが 駅前商店街に溢れてきて 空が焼けるよりも早く色づきをしていく
家路にはその色の 輝かしいカーペットが敷かれている
わたしに帰る気持ちがなくても どのみち道は家路で帰る道
店先でねぎを積み増すおじさんの頭に 蜜色の光が当たっている
水飲み場ではしゃぐ声と 道端に置かれているランドセルと そこにネコ
わたしの芯はまだ冷たくて 皮膚の外だけ暑くなった町を帰っている
ばっと鳩が飛び立ったあとに 砂礫やガラス片が残っている
そこに ひときわ目立つ白いものが転がっていて 妙に白いそれは なんか大っきいマシュマロっぽいやつで でも つま先で突いてみると 普通に硬いだけの石だった
わたしはその石に名前を付けることにした
名前は「マシュー」
「マシュー!」と名前を呼びながら わたしは石を蹴っ飛ば……
すでに夜空の大部分が 月面で占められていた
月は今 巨大な目を見開くようにして 地上の広くを納めながら その光を絶え間なく注いでいた
廃墟となっていた建物では 柱の影が居並び 行進を始めた
かつての栄華が 月光によって蘇っていた 淡々とした筆致で記された伝記のように 影の行進は音もなく続いた
月の目はますます空を覆い 確実なスローモーションで世界を飲み込んでいく
森では 月光に照らされて生まれた生物が舞い踊ってみせた 音も立てず 森の中で優雅に舞い踊る彼らの姿は 月夜の色を録音した 音のないシンフォニーのように続いた
また一段と空を覆うのは月面で その巨大なひとつ目を近づけ 世界を広く飲み込んでいく
月が地上と近づくことで 波の動きも変わっていた
海岸線は沖へ引かれて 黒々とした海底が口を開き その色の虚なコーラスを学んでいた
その口を塞ぐように 波が何回かに一度 浜まで長く伸びて 浜にかすかな光の粒を残しては消えていた
やがて月面が夜空を覆い ……
『瞳の窓のなかに』
彼女は静かに公園のベンチに座っていた
春の優しい陽射しを受け 古い木造建築のように 柔らかな陰影をベンチに落としていた
たまたま彼が通りかかった
彼女の瞳に目が留まり その瞳を 豊かな蔵書の眠る図書館の小さな窓のようだと思った
彼は それとなく窓を覗くように 彼女の瞳の奥に目をやった
彼女の目に彼の姿は映らなかった
映らない彼は 彼女の瞳の奥に 美しい蔵書の棚を見つけてしまった
彼は一度は通り過ぎたものの 彼女の瞳が忘れられず「どこに落としたかな」などと独りごとを言いながら戻ってきた
そして 彼女が気づかないよう 周囲を見回すようなしぐさで 彼女の瞳に映る物語の断片を盗み見た
次に彼はさりげなく(どうしよう 誰でもよいのだけれど)といった風を装って近づき ちょっとした質問をするかのように彼女の瞳を覗き込んだ
瞳の中では叙事詩をまとめた書物が開かれているのがわかった……
https://note.com/reijimix/n/nacea55814fa6
https://www.tumblr.com/reijimix/714857744637788160
#note #tumblr #創作 #散文 #chatgpt