著者はもう亡くなっているとわかっているけど、読み終えるとその死が本物になる気がして、せめて本の中だけでも生きてる姿を見続けたくて、読み終えたくなくて。でも多分今夜読み終える。
#無人島のふたり

著者はもう亡くなっているとわかっているけど、読み終えるとその死が本物になる気がして、せめて本の中だけでも生きてる姿を見続けたくて、読み終えたくなくて。でも多分今夜読み終える。
#無人島のふたり

『無人島のふたり　120日以上生きなくちゃ日記』山本文緒
2021年10月13日に58歳で亡くなった小説家・山本文緒の最後の日々の記録です。
2021年4月に突然、末期の膵臓がんで余命4ヶ月と診断された著者は、翌5月下旬から10月頭まで、日々の状況を日記にしたためました。それを自身の死後に出版することについては、逡巡しつつも途中からそれを前提としていました。何と悲痛な決意でしょう。
著者は毎年人間ドックを受けており、2021年の年明けにも受けていて、そこで不調を訴えてもいて、それでも検出できなかったと言うのは、何ともやり切れないです。
闘病の状況は、不調と好調の波が大きく、痛ましさと安堵感が入り交じります。日頃なら何でもない筈の一つ一つに対し、それが最後であることを認識せざるを得ない、諦めざるを得ない、捨てざるを得ない、著者のやるせなさは如何ばかりか。いつか私自身にもそんな日が訪れるのかも知れないと思うと、尚更胸に突き刺さります。
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[2023/01/04 #読書 #無人島のふたり #山本文緒 #新潮社 ]
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