『真珠とダイヤモンド(上)(下)』桐野夏生
1986年、証券会社の福岡支店に同期で入った女2人と男1人。3人は個別の思惑で上京を目指しており、果たして数年後には願いを叶えてそれぞれ都内に移り住んでいます。時はバブル景気の真っ最中、その危うさに気付く筈もない男はマネーゲームに邁進するあまり危険な橋を渡り、この男と結婚した女は金満の味を占めて豪遊三昧の一方で、他方の女はさほど浮かれることなく地道に暮らしていた筈でした。しかし数年後のバブル崩壊で、彼らの夢物語はあっという間に潰えてしまい、待ち受ける運命は残酷なものだったのです。
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この当時、私自身は勤勉なる(?)学生だったので、実際のところバブル景気を殆ど実感していません。就職した頃には既にバブルは崩壊していて、ただ入社直後の極度の不景気だけが記憶に残っています。良かれ悪しかれ最盛期の異様な高揚感のようなものに、この小説で初めて触れた気がしました。
[2023/06/20 #読書 #真珠とダイヤモンド #桐野夏生 #朝日新聞出版 ]
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