「僕の狂ったフェミ彼女」読了 #積読解消 #韓国 #フェミニズム #小説
中絶合法化デモについてスンジュンが「胎児っていうのは生命の可能性が(中略)コンドームを使えばいいだけの話じゃないのか」と思うシーンの数十ページ後に彼女にコンドームを渡されて「まったくいつも思うけど、興醒めする瞬間だ。男の立場から本音を言えば当然、できることなら「ゴムなし」でしたい」とふーやれやれとやってるわけで、おばちゃんおまえさんの襟首つかんで「おまえの頭のなかの海馬はどっかに駆け抜けていったんじゃねえのか」と問い詰めたかったよ…。
それでもラストを見るとちょっとは残ったものもあったんじゃないのかと思うけども。
途中で気づいて何回か読み直したけどスンジュンや友人の名前はあるのに『彼女』の名前は書かれていない。『彼女』はキャラクターの箱の中にいれられていない、どこかにいる現実の女性だという演出だろう。日本版表紙もそこを組んだデザイン。挑戦的な口元、短い髪、シンプルな黒ずくめのだぼっとした服装。けれど敢えて目は見せていない。
今週読む本 #積読解消 優先度☆が多いほど高い
『卒業生には向かない真実 』ホリー・ジャクソン 33ページ 待ってたよ😆 ☆☆☆
『56日間 (新潮文庫)』キャサリン・R・ハワード 90ページ ☆☆
『ポピーのためにできること』ジャニス・ハレット 16% ☆
『三体 Ⅲ』下巻 劉慈欣 80% ☆☆☆
『さあ、あなたの暮らしぶりを話して』クリスティー 51% ☆
『人生で大事なことはみんなガチャから学んだ』49% ☆
『詩と散策』ハン ジョンウォン 56ページ ☆
『失われたものたちの本 (創元推理文庫)』ジョン・コナリー 190ページ ☆☆☆
『コリーニ事件』 #シーラッハ #創元推理文庫 #積読解消 #感想
かなり有名な作品で映画化もしているけれどネタバレ無で読めてラッキー。
初老の男が老人を殺す。しかもかなり残虐に。二人の間に接点は無し。新米弁護士の主人公は国選弁護人として割り当てられた後、被害者が亡き親友と初恋の人の祖父であり、また自分の恩人の人物だったと知る。
最初降りようとした彼に相手側弁護士であり先輩でもある人物に「君はある弁護人の依頼を引き受けた、それは君の過ちだったかもしれない。けれどその過ちは君のものであり、依頼人の過誤ではない。君は依頼人に責任がある」と諭されるシーンがある。ものすごく説得力のある言葉だなと思ったが作者が弁護士と後で知って納得。
事件そのものは明白で謎は何故この事件が起こったかということなのだが、それが解けた時外国人の私ですら胸がぎゅっとしたのだから本国の読者へ与えた影響はそれは大きいだろうなと思った。実際ドイツであることが起こったのはこれがきっかけと言われているらしい。
『こんばんは、太陽の塔』マーニー・ジョレンビー #読書 #積読解消 #文藝春秋
土地勘ある人なら驚くほど関西の話なのに登場人物が標準語。太陽の塔の表情は正直私も怖い。もっとも主人公は自分の『恋人』でモラハラ気味の『師匠』に似ているから怖いのですが。師匠の手を継承しそれを見せられず委縮しているというファンタジーは支配のメタファー。後半で彼女が彼の支配下に置かれた年齢も明かされ強烈なグルーミングを受けていたことがわかる。逃げることで勇気を使い果たして縮こまっていたカティアが何人かの日本人との出会いでそれを克服していく様子は爽やか。
光源氏を「あいつを光らせたのはかわいそうなたくさんの女だったのよ」という翔子の教えが最後彼女が自分を睥睨していた太陽の塔を一輪挿しで隠して「思えば塔が大きいのは岡本太郎がたくさんのコンクリートを集めてたくさんの労働者を(略)塔そのものがすばらしいからではない」という視点を得て好きな方向へ歩き出すラストは晴れやか。
読書の進捗 #積読解消 #読書
『もっとも暗い場所へ』77%
『さらわれたい女』15%
『ダロウェイ夫人』9%
『瞳の奥に』4%
『名ごりの夢』35%
『贖罪の奏鳴曲』8%
『古時計の秘密』10%
『夜来たる』13%
『青い風景画』27%
『だからダスティンは死んだ』219p
『楽しい植物学』89p
『月とすっぱん』25p
『庭』19p
『月の満ち欠け』10p
『霊媒』12p
エッセイや随筆は気持ちがしんどいときに他の人の目によりそえるから楽。
サスペンスはどうしても最初の方はいらいらとはらはらが一緒になって若いときはともかく最近は60%超えるまではストレスに耐えられない。そこ越えたらすごく楽しいから読んでいる本がそこにさしかかった段階で他のサスペンスをじわじわ読む。
読書の進捗 #積読解消 #読書
『もっとも暗い場所へ』77%
『さらわれたい女』15%
『ダロウェイ夫人』9%
『瞳の奥に』4%
『名ごりの夢』35%
『贖罪の奏鳴曲』8%
『古時計の秘密』10%
『夜来たる』13%
『青い風景画』27%
『だからダスティンは死んだ』219p
『楽しい植物学』89p
『月とすっぱん』25p
『庭』19p
『月の満ち欠け』10p
『霊媒』12p
エッセイや随筆は気持ちがしんどいときに他の人の目によりそえるから楽。
サスペンスはどうしても最初の方はいらいらとはらはらが一緒になって若いときはともかく最近は60%超えるまではストレスに耐えられない。そこ越えたらすごく楽しいから読んでいる本がそこにさしかかった段階で他のサスペンスをじわじわ読む。
『波』#感想 #積読解消 #早川書房 #読書
その昔西崎憲氏がラジオで『意識の流れ』について解説されていたことでやっと読み方を理解したけどそうでなければ「???」だったと思われる。他に前知識無く読んだんですが一番難解らしい(だろうね)。
人の頭の中って世界を覆うほど広いのではないかと思ったことがあるがこの小説はまさにそう。6人の考えていることが長々とつづられつかめそうになったとき波のようにそれが引き次の波(最終章を除き別の人物の思考)が打ち寄せられてくる。同じものを見ているが少しずつそれは変化しそれぞれの感覚も違う。まさに『波』そのもの。それが向かう先の一つは第七の人物パーシヴァルだが第二部で退場した後も概念上の彼に波は向かい荒れる。
最終章、私が今まで違う波だと思っていたものが交じり合い同化する、もしかするとそもそも他の波もずっと同じだったのかもという疑いも抱く。
それにしてもウルフの風景の光の描写はやはりすごくよい。
『波』#感想 #積読解消 #早川書房 #読書
その昔西崎憲氏がラジオで『意識の流れ』について解説されていたことでやっと読み方を理解したけどそうでなければ「???」だったと思われる。他に前知識無く読んだんですが一番難解らしい(だろうね)。
人の頭の中って世界を覆うほど広いのではないかと思ったことがあるがこの小説はまさにそう。6人の考えていることが長々とつづられつかめそうになったとき波のようにそれが引き次の波(最終章を除き別の人物の思考)が打ち寄せられてくる。同じものを見ているが少しずつそれは変化しそれぞれの感覚も違う。まさに『波』そのもの。それが向かう先の一つは第七の人物パーシヴァルだが第二部で退場した後も概念上の彼に波は向かい荒れる。
最終章、私が今まで違う波だと思っていたものが交じり合い同化する、もしかするとそもそも他の波もずっと同じだったのかもという疑いも抱く。
それにしてもウルフの風景の光の描写はやはりすごくよい。
「彼女のかけら」感想
現代的な30代に結構いる大人になりきれないアンドレアとヒッピーブームの真っただ中家父長制度に縛られ娘と言う財産でいさせられた令嬢ジェインのダブルヒロインが交互に語る筋立て。
女性の権利なんてまったくない頃のジェインと権利が認められているのに中々それを使いこなせないアンドレア。サスペンスとしても面白いけれど世代格差を目の当たりにする小説でもある。
理想社会の実現に燃える若者が重大事件を起こすというのは日本でもあったが、カリスマを崇めたい助けるという自己実現に酔わないことは難しい。なまじ優しく正義感が強い人こそあてられやすいのではないか。自分の頭で考え行動することが一番難しくて大変。革命ってどうしても派手な方に偏る。
しかし、ジェインが作った社会がホモという言葉の悪意にぎょっとするアンディ世代を作ったというのがわかるようにそういうのも革命の一つだと思う。
#積読解消 #ハーパーコリンズ #カリン・スローター
「彼女のかけら」感想
現代的な30代に結構いる大人になりきれないアンドレアとヒッピーブームの真っただ中家父長制度に縛られ娘と言う財産でいさせられた令嬢ジェインのダブルヒロインが交互に語る筋立て。
女性の権利なんてまったくない頃のジェインと権利が認められているのに中々それを使いこなせないアンドレア。サスペンスとしても面白いけれど世代格差を目の当たりにする小説でもある。
理想社会の実現に燃える若者が重大事件を起こすというのは日本でもあったが、カリスマを崇めたい助けるという自己実現に酔わないことは難しい。なまじ優しく正義感が強い人こそあてられやすいのではないか。自分の頭で考え行動することが一番難しくて大変。革命ってどうしても派手な方に偏る。
しかし、ジェインが作った社会がホモという言葉の悪意にぎょっとするアンディ世代を作ったというのがわかるようにそういうのも革命の一つだと思う。
#積読解消 #ハーパーコリンズ #カリン・スローター
「沖縄の食文化」 #積読 #読書 #積読解消
筆者外間守善は大正生まれで沖縄戦の経験もある。本書はアジアの交差点として栄えた琉球という視点からの沖縄の食文化をを紹介している。
豆腐料理が日本より韓国に近いとか、中国にも日本にもないがインドネシアに似た料理があるとか何故海に囲まれているのに魚料理が発展しなかったのかとかなど興味深い。
何度か引用や参考にしている「沖縄料理物語」古波蔵保好著 より学術的かというとそうでもなく食にまつわる逸話の端々に筆者の美しい思い出、癒されない傷が浮かんでくる。味覚や触覚など食べ物にはあらゆる感覚が付随し生々しい。これが『生きている経験』。淡々と書かれているその事実をあげつらい嘲笑する心無い人がいるというのは本当に残念だ。筆者は2012年に87歳で亡くなった。思えばこのころからそういった人間が表に出てきたように思う。
食文化に興味がある人も沖縄旅行に行く人も楽しく読めるだろうこの本で「その時生きた感覚」が広まればいい。
「沖縄の食文化」 #積読 #読書 #積読解消
筆者外間守善は大正生まれで沖縄戦の経験もある。本書はアジアの交差点として栄えた琉球という視点からの沖縄の食文化をを紹介している。
豆腐料理が日本より韓国に近いとか、中国にも日本にもないがインドネシアに似た料理があるとか何故海に囲まれているのに魚料理が発展しなかったのかとかなど興味深い。
何度か引用や参考にしている「沖縄料理物語」古波蔵保好著 より学術的かというとそうでもなく食にまつわる逸話の端々に筆者の美しい思い出、癒されない傷が浮かんでくる。味覚や触覚など食べ物にはあらゆる感覚が付随し生々しい。これが『生きている経験』。淡々と書かれているその事実をあげつらい嘲笑する心無い人がいるというのは本当に残念だ。筆者は2012年に87歳で亡くなった。思えばこのころからそういった人間が表に出てきたように思う。
食文化に興味がある人も沖縄旅行に行く人も楽しく読めるだろうこの本で「その時生きた感覚」が広まればいい。