紀州の逸話として良く知られている安珍清姫の物語。二人が法華経の功力によって救われ、ついに神仏として昇天する道成寺縁起の最後の部分を題材にした新作能。言わずと知れた能の秘曲「道成寺」は古典作品中屈指の人気曲で、能楽修行の卒業試験とも言われるように、恐ろしくも悲しい物語を能役者の高度な技術で魅せるのが特徴である。また能以外の様々な伝統芸能でも演じられる非常にポピュラーな題材でもある。このように有名な物語であるが、その後日談は意外と知られてっはいない。道成寺縁起全体においても、最後の昇天部分は仏教説話として非常に重要な個所ではないだろうか。この新作能では安珍清姫が真は神仏であるのに、衆生を救済するための方便として仮に人間界に転生したという設定に、能らしく歌舞の要素を加え創作した。
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【太鼓 二分割②】
革
大鼓(おおつづみ=大皮おおかわ)大鼓(おおつづみ=大皮おおかわ)大鼓(おおつづみ=大皮おおかわ)
革は牛皮。表革中央の小さい円型部分は鹿の皮が貼り付けられており、“ばち皮”と云う。ばち皮はその名の通り、桴を当てるポイントとなるが、革の保護よりも柔らかな音粒を出すための施しと云える。ばち皮の真裏にも“裏張り”が貼られており、革の振動のバランスが図られている。革の直径は、約35センチ。小鼓の革のように縁周りの表面には黒漆、裏面には金箔押しが施されている。
調べ緒
小鼓と同じく、太鼓を組み上げるときには麻の紐を綯えた(なえた)調べ緒を用いる。
テレン台
大鼓(おおつづみ=大皮おおかわ)
締太鼓は二本の撥で演奏するため、専用の台に掛けて舞台床に直接置く。写真のような鈎先が緩やかに湾曲させた作りになっているものを、直線的で簡素な作りのブショウ台と区別するためにテレン台と云うが、能ではテレン台が大半のため、単に“台”と呼ぶ。高級な台は写真のような紫檀材が用いられる。
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【太鼓 二分割 ①】
演能において神や鬼などの超人的なものが登場する場面や、舞楽を盛り立てる際には欠くことの出来ない打楽器。能では、単に太鼓と呼ばれる。音の大小強弱関わらず、軽やかで柔らかみを帯びている打音を特徴とする。中央に緩やかな膨らみを持つ木製の胴を二枚の革で挟み、調べ緒(麻紐)で締め上げて、組み上げる。専用の台に掛けて床に据え、二本の撥(ばち)で打つ。
胴、撥(ばち)
大鼓(おおつづみ=大皮おおかわ)大鼓(おおつづみ=大皮おおかわ)
胴は欅(けやき)や栴檀(せんだん)などの原木を刳り貫いて作られている。直径約30センチ、高さ約15センチ。胴外周部は蒔絵が施されているものも多い。
大鼓(おおつづみ=大皮おおかわ)大鼓(おおつづみ=大皮おおかわ)大鼓(おおつづみ=大皮おおかわ)
胴内部には小鼓や大鼓の胴のように、鼓筒工独自の意匠のようなものは存在しない。ただし、平に削っているもの以外にも、凹凸や刃痕を残している胴もある。能で使うのは太桴(ばち)のみ。撥材は檜が好まれる。
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