夕木春央 著『十戒』#読了。
この本もネタバレ厳禁ですね。
なんとなく犯人も話の流れも読めはしたんですが、最後!最後!?
読後に多幸感と疲労感に包まれる感覚に鳥肌が立った。すごい。
同じ作者さんの作品で敢えて比べるなら、どちらかと言うと、私は『方舟』の衝撃のほうが大きかった。
しかし今後もこの作者さんの作品を追ってしまうかも。
「空気」と「世間」
学生時代に初めて読んで感銘を受けた本
「空気を読め」という言い回しに代表される「空気」、そして「空気」と密接な関係にある「世間」という日本に特有の二つの概念について語る
「空気」は山本七平の、「世間」は阿部謹也の優れた先行研究があるが、本書は「世間」の特徴として「贈与・五週の関係」「長幼の序」「共通の時間意識」「差別的で排他的」「神秘性」というものを挙げ、世間が戦後の都市化・グローバル化により壊れ、一神教における神のような存在のない日本において「空気」が個人を支える役割を果たしていることを指摘している点が実に的確だった
「空気」は戦後の都市化やグローバル化によって壊れつつあった「世間」の「共同体の匂い」を残したものと位置付けられているが、SNS時代の現代も(だからこそ、かもしれない)、他者からどう見られるかを忘れてネットミームやジャーゴンを共有して内輪で盛り上がるような行為に「同じもの・同じ時間を共有する」心地良さを互いに感じたいという欲求が表れているように思った
#読了 #講談社現代新書 #kamikami読書録
黒死館以来2冊目の三大奇書。
黒死館に比べれば登場人物がポップで読みやすかったが、何度もひっくり返る推理や数々の蘊蓄には苦戦した。
木曜日にはココアを/青山 美智子
東京とシドニーを舞台にしたほっこり短編集。とても読みやすかったから、日本語学習者にもおすすめ。
舟を編む/三浦 しをん
辞書を作る人たちの話。辞書編纂は僕がやっている仕事と全然違うから面白かった👀
凪良ゆう『流浪の月』
読了しました。
心をかきむしられる小説とは本書のような作品の事を言う。幼児誘拐事件の加害者と被害者。一見すると危険な組み合わせだが、彼らの関係は一言では言い表せない複雑なものだった。
この本で描かれるデジタルタトゥーは今、もっと酷くなっている。犯罪を犯した者はその全てを暴かれ、特定され、居場所を奪われる。人によって追い詰められる事。それが新たな犯罪のきっかけになるとは誰か一人でも思わないのだろうか。確かに危険な人物は残念ながら存在する。
閑話休題。
この作品は「人」が描けている。そして世の中にあまねく存在する悪もまた、ハッキリと分かりやすい形を取っていないが、描かれている。その悪とは「好奇」である。「同情」や「正義感」、大勢の人々が、我々が、好んで押し付けたがるものによって、潰されそうになる人々もまた、この国にはいるのだ。
#読了 #マストドン読書部
処刑台広場の女』『毒入りコーヒー事件』『トゥルー・クライム・ストーリー』、#読了 したとたんにネタバレありで感想を言ったり聞いたりしたくなる作品を、3作たて続けに読んだ。
『さぶ』を #読了
齋藤孝さんの『読書力』とか、他の小説本などで推薦されてたからずっと読みたかった本です。
「さぶ」って人と、「栄二」の友情です。
どんなに不遇な目にあっても、ときが癒してくれる。どんなひどい人でも、どこかに正義がある。
もっとたくさんのことを学んだけどまず最初の読後感としてここにメモしておきます。
兎に角、良い体験でした。