夜中に帰宅した阿門さんを出迎えれば、崩れる様に凭れ掛かられてよろける九龍君。
とりあえず、上着を脱がせて一番近い部屋まで運ぶんだけど……
ソファーに寝かせてみれば、紅潮した顔で苦しそうに眉を顰めているので、慌てて額に手を当てて熱を測ったりするんだ。
まぁ、その瞬間に微かにお酒の臭いがするので…"なんだ、酔ってるのか…。珍しい"と思ったりするんですけどね。
シャツのボタンを緩めて、寝室から毛布を運んで来て……
このまま放置する訳にもいかないので、自分も近くで寝られる様に椅子を用意して……。
忙しなく動く九龍君を他所に、煩わしそうに自分の髪を解く阿門さん。
それによって乱れた前髪を、ほんの少し乱暴に掻き上げる姿が……情事の最中に自分を見下ろす姿を思い出させて、九龍君は一人で息を詰める事になるんだ。
そんな自分の欲求を抑えて、寄り添うように椅子で座ったまま眠る九龍君の存在に、阿門さんは朝になってから気付くのだろう。
そして、まだ眠っている九龍君を寝室のベッドまで運べばいい。
そのまま、二人で二度寝しなさい。それが正解だ。
#九龍 #阿門