#20230516wec 週刊エコノミスト
米銀破綻の余波
SNS発の危機が常態化へ 米国債の信用低下は必至
滝澤伯文(シカゴ在住ストラテジスト)
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#2014y に豪・ブリスベンで開催されたG20首脳会議で、その後に発生する金融機関の破綻処理は、公的資金の投入を伴う「ベイルアウト」ではなく、投資家や債権者の負担を求めて預金者保護に充てる「ベイルイン」を採用すると宣言した。
ところが、バイデン政権は民主党地盤のカリフォルニア州で起きた地銀の破綻において、その原則を守っていない。米金融当局は、公式発表ではベイルアウトを否定しているが、今後預金者保護を目的に公的資金を注入せざるを得ないだろう。
その際に原資となるのは米国債しかない。だがコロナ禍での量的緩和のように再びバランスシートを拡大すれば、インフレを再加速することになる。
中国が5nmプロセス対応EUV露光装置の試作機を開発か?、中国メディア報道 | TECH+(テックプラス) https://news.mynavi.jp/techplus/article/20230502-2670408/
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長春光学・精密機械・物理研究所は、すでに #2002y には中国初のEUVリソグラフィ原理確認装置を開発、0.75nm RMSよりも優れた波面収差を有する2ミラーEUVリソグラフィ対物レンズシステムの開発に成功していた。
その後も研究を続け、#2017y には32nmプロセス対応EUV露光装置の試作に成功。その後、5nm向けEUV露光装置の開発が行われてきた。
EUV光源は、長年にわたってハルビン工科大学で研究開発されており、現在は長春研究所と協業体制にあるという。
EUV露光装置向けの超精密マスク/シリコンウェハステージは、清華大学の朱玉教授が率いるチームが #2014y に開発し、長春研究所に納入したという。
#202306ns 日経サイエンス
味を変える食器
甘味や塩味を操るハイテク食器の数々
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明治大学 総合数理学部教授の宮下芳明(ほうめい)のチームはキリンホールディングスと共に、舌の塩味受容体を刺激する特殊な箸を開発した。
この箸には弱い電流が流れており、口に入れた食物に含まれるナトリウムイオンの働きを変化させて舌の塩味受容体を刺激する。宮下のチームはこの箸で塩味の知覚を最大1.5倍に増強できたと報告した。
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テイストブースターズという米国企業は微小電流による宮下の技術と同様の方法を「スプーンテック」という食器に採用している。
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イスラエルのワイツマン科学研究所のEran Elinav(エリナフ)のチームは、#2014y 、マウスに人工甘味料のサッカリンを与え、腸内微生物叢(そう)がサッカリンと相互作用して、血糖値の調節に影響を及ぼすことを発見した。
別の研究では、一部の人工甘味料を摂取した人も腸内微生物叢が変化し、血糖値が急上昇した。「人工甘味料が人体内で不活性でないことは明かだ」。
#20230420nn 日本経済新聞 朝刊
Deep Insight
インド経済、楽観は禁物 プリンストン大学客員教授 アショカ・モディ氏
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モディ政権は厳しい現実の直視を拒否してきた。#2014y に政権に就いてから、雇用に関連する統計や調査を次々に廃止した。唯一残っている政府の雇用調査も、四半期に1回と大雑把な上、サンプルが小さく実態が見えない。
エコノミストやメディアは民間の雇用統計を頼りにしているが、こちらも調査方法が雑であてにならない。直近の民間統計によるインド全土の失業率は8%前後だが、実態は遥かに悪いと推測する経済学者が多い。
政府は基本的な学力調査も怠っている。生徒の欠席率の実態も分からない。インド政府の最優先課題はまともな統計・調査の整備だろう。