#20230516wec 週刊エコノミスト
イランとサウジが関係修復 中東は米中綱引きの最前線に
斉藤貢(前駐イラン大使)
中国が仲介したイランとサウジアラビアの関係修復だが、イスラエルをけん制する狙いも垣間見える。
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イランと長年対立関係にあるのが、西に千数百キロ行った先のイスラエルだ。
イスラエルはイランが核兵器を開発しているとみなし、イランがイスラエルに核攻撃することを恐れてイランの核燃料学者暗殺などの妨害工作を幾度となく繰り返してきた。
しかしイランの核開発を阻止できていないイスラエルは、「千数百キロ先の目標を空爆する」という技術的困難さから避けてきたイランの核施設直接空爆を、実行に移す可能性が高まっているとされる。
その直接空爆成功のためには、イランの近接諸国の領域通過の黙認が必要。だが今回のイラン・サウジアラビアの和解によって、空爆が一層困難になった。
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米国のカール国防次官は #20230301d 、「イランは、12日間で核爆弾1個分の濃縮ウランを製造できる」と発言している。