#20230420nn 日本経済新聞 朝刊
Deep Insight
インド経済、楽観は禁物 プリンストン大学客員教授 アショカ・モディ氏
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モディ政権は厳しい現実の直視を拒否してきた。#2014y に政権に就いてから、雇用に関連する統計や調査を次々に廃止した。唯一残っている政府の雇用調査も、四半期に1回と大雑把な上、サンプルが小さく実態が見えない。
エコノミストやメディアは民間の雇用統計を頼りにしているが、こちらも調査方法が雑であてにならない。直近の民間統計によるインド全土の失業率は8%前後だが、実態は遥かに悪いと推測する経済学者が多い。
政府は基本的な学力調査も怠っている。生徒の欠席率の実態も分からない。インド政府の最優先課題はまともな統計・調査の整備だろう。
#20230420nn 日本経済新聞 朝刊 #nn
AI Impact ③ 「ゴッドハンド」になる日 自由な発想は人の特権か
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理化学研究所の施設でAIを備えたロボット「まほろ」が黙々と作業を続ける。扱っているのは人の細胞で、既にiPS細胞から目の細胞を作ることに成功している。最適な培養条件を見つけるには優秀な研究者でも1〜2年かかるが、まほろは1/3以下の120日で成し遂げた。
最適な物を探す速さは人間の比ではない。創薬スタートアップの香港インシリコ・メディシンがAIで見つけた肺の治療薬候補は、初期の臨床試験で優れた結果を出した。通常5〜8年かかる薬の候補物質の開発期間は約2倍に短縮した。
科学者は研究の速度を増すAIを使いこなす競争に入った。米CMUはAIを使った自動実験室を扱う専門の修士課程を設けた。「自動化された科学の新たなリーダー」を育てる。