#20230509wec 週刊エコノミスト

グラフの声を聞く
米マネーストックの減少は嵐の前触れ
市岡繁男（相場研究家）

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米国のマネーストックM2（現預金）は #202212m から3ヵ月連続で前年を割り込んだ。過去100年間で5回しかない変事であり、凶兆だ。

今回M2が減少した主因は銀行預金の流出。FRBが利上げを開始したことで、企業などが銀行預金から短期国債などの資金をシフトさせ始めた。

そうなると、銀行は預金＝負債の縮小に合わせて、貸出資産を圧縮せざるを得なくなる。信用の収縮時には借金の値段＝貸出金利は上昇し、社債と国債の利回り差（信用スプレッド）が拡大する。

歴史を見ると、不況下の金利上昇は株価の下落をもたらしてきた。今はまだ貸出残高は減少していないし、信用スプレッドも悪化していないが、この先は要注意だ。

#20230509wec 週刊エコノミスト

挑戦者2023
蓄電池の国産化で再エネ導入を加速
パワーエックス社長
伊藤正裕（まさひろ）

再エネで発電した電気をためる蓄電池を国産化。再エネの爆発的な普及を後押しする。

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事業の柱は3つ。

①大型蓄電池の製造・販売
②EVの充電ステーションの開発・運営
③電気運搬船の開発・製造

大型蓄電池のセル（LFPを使用）は中国や韓国など海外メーカーから購入し、徳島県の提携工場や岡山県の自社工場でモジュールとして組み立てる。徳島での生産開始は #202306m から。蓄電池の充放電を制御するソフトウェアは全部自社製。

電気運搬船の運搬コストは、今1kWh当たり15.6円。これが7〜8円まで下がると一般送配電事業者の託送料と変わらなくなる。

#20230509wec 週刊エコノミスト

エコノミストリポート
設備投資が重荷の携帯電話事業
楽天モバイルに三つの"切り札" 成否がグループ経営も左右する

石川温（つつむ）（スマホ／ケータイジャーナリスト）。楽天グループは今後、#2026y 末までに8000億円以上の社債償還が控える。楽天モバイルが追い風を生かせるかどうかが、グループ全体の命運を握る。

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総務省は楽天モバイルが参入表明した後、「既存通信事業者に事業譲渡などをした場合、周波数割り当ての認定を取り消す」と条件をつけた。

つまり、仮に楽天Gが楽天モバイルを既存3社に売却しようとすれば、周波数を総務省に返上する必要がある。既存3社が楽天モバイルを買収する意味はない。

「楽天モバイルだけでなく、楽天G全体を買収するなら魅力的だろう。既存3社は銀行、証券、ネット通販をのどから手が出るほど欲しいのではないか」。

楽天Gの時価総額は #20230411d 現在、1兆円程度。既存3社が楽天Gを飲み込むことはあるのか。

#20230509wec 週刊エコノミスト

創刊100周年 編集長特別インタビュー この人に聞きたい！未来への提言 3
インターネットイニシアティブ会長 鈴木幸一さん
情報通信の技術者を養成 インターネットの世界を広げる

社会のデジタル化が急速に進展し、企業はDXに突き進む。情報通信の世界はどこに向かうのか。日本で初めてインターネット接続サービスを導入したインターネットイニシアティブ（IIJ）の鈴木幸一会長（76）に聞いた。

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多くのトラブルは、問題が起きた時に、すぐにシステムを止めるという当たり前のことをしていない。

これが1番被害を小さくし、復旧を早くするのだが、トラブルが起きたことへの責任を取らされるから、トラブルがなかったように始末をしようとした結果、トラブルは拡大する。

#20230509wec 週刊エコノミスト

100年 食料 中露が進める「肥料人質外交」日本は自給率向上へ転換を
柴田明夫（資源・食糧問題研究所代表）

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今こそ、食料・農業・農村基本法を「食料」生産の拡大に向けて抜本的に改正すべき。

#20230509wec 週刊エコノミスト

100年 食料 中露が進める「肥料人質外交」日本は自給率向上へ転換を
柴田明夫（資源・食糧問題研究所代表）

中国とロシアが穀物生産に不可欠な「肥料」を外交手段として使い始めた。日本は食料自給率を引き上げる必要がある。

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窒素肥料では、西アジア（イラン、トルコ、サウジアラビア、イラク、アフガニスタンなど16カ国）と東欧・中央アジア（ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナなど15カ国）が輸出国。

リン肥料では、アフリカ（主にモロッコ）、北米、西アジア、東アジア、東欧・中央アジアが小幅な輸出国。

カリ肥料では、北米と東欧・中央アジアが輸出国。

#20230502wec #20230509wec 週刊エコノミスト #wec

これまでの100年、これからの100年

国債金融危機、戦争、エネルギー、人口
経済学、食料、生命科学、感染症

インタビュー ヴォルフガング・シュトレーク
「グローバル化と民主主義は緩やかに崩壊している」

100周年特別インタビュー 鈴木幸一・IIJ会長