#20230516wec 週刊エコノミスト
再生医療の盲点
多くの有効性は「未確認」第三者委の独立性にも疑問
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再生医療法は名称に「安全性確保」という言葉がある通り、患者に投与される細胞の「安全性」を確保するかもしれないが、治療自体の「有効性」まで保証するものではない。
更に、再生医療計画を審査する認定再生医療等委員会が形骸化している恐れがある。公正・独立な審査が期待できない関係下での審査に基づき、科学的に妥当とは判断できない治療計画が専門性のない医師によって実施される実態がある。
これらの盲点や実態は、大学などで研究として計画されているもの以外の、法律上、より規制の緩やかな「第2種」「第3種」と分類される再生医療の"治療"計画でよく見られる。専ら自由診療を行う医療機関の治療計画に対する懸念だ。
#20230516wec 週刊エコノミスト
再生医療の盲点
多くの有効性は「未確認」第三者委の独立性にも疑問
一家綱邦(いっか・つなくに、国立がん研究センター生命倫理部長)。再生医療を巡る法制度には盲点がある。国が"お墨付き"を与えたように見えても、提供される「医療行為」の有効性は、患者自身で見極める必要がある。
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日本再生医療学会がいう厚労省の承認を得られて健康保険が使える再生医療等製品は、#202206m 現在16種類しかない。
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日本には再生医療の実施に関する2つの法律がある。「再生医療安全性確保法(再生医療法)」と「医薬品医療機器法(薬機法)」だ。
再生医療法は、医療機関に、法が定める基準に従った再生医療の提供計画を作成し、国が「認定」した委員会「認定再生医療等委員会」で審査を受け、再生医療の実施を国に届け出ることを義務づける。
認定を受けた委員会は、現在全国に163件あり、審査を受けた上で実施される再生医療は、専ら自由診療として患者が高額な治療費を負担することになる。
#20230516wec 週刊エコノミスト
米銀破綻の余波
SNS発の危機が常態化へ 米国債の信用低下は必至
滝澤伯文(シカゴ在住ストラテジスト)
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株価が下がればFRBが金融緩和を打ち出す「FRBプット」があると、多くの投資家や金融機関は勘違いしている。
冷戦期の知性と矜持を失い、過度にリベラル化した米国社会を見る限り、今後も米政府が金融機関の破綻処理で公的資金による救済や補助を繰り返すことになりそうだ。
結果的に、米国債は、信用力の非常に低い「サブプライムローン化」する道をたどるだろう。
#20230516wec 週刊エコノミスト
米銀破綻の余波
SNS発の危機が常態化へ 米国債の信用低下は必至
滝澤伯文(シカゴ在住ストラテジスト)
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#2014y に豪・ブリスベンで開催されたG20首脳会議で、その後に発生する金融機関の破綻処理は、公的資金の投入を伴う「ベイルアウト」ではなく、投資家や債権者の負担を求めて預金者保護に充てる「ベイルイン」を採用すると宣言した。
ところが、バイデン政権は民主党地盤のカリフォルニア州で起きた地銀の破綻において、その原則を守っていない。米金融当局は、公式発表ではベイルアウトを否定しているが、今後預金者保護を目的に公的資金を注入せざるを得ないだろう。
その際に原資となるのは米国債しかない。だがコロナ禍での量的緩和のように再びバランスシートを拡大すれば、インフレを再加速することになる。
#20230516wec 週刊エコノミスト
米銀破綻の余波
SNS発の危機が常態化へ 米国債の信用低下は必至
滝澤伯文(シカゴ在住ストラテジスト)
米国は金融規制規律を失った。破綻金融機関の公的資金による救済を繰り返せば、財政の信用を揺るがす。
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#1991y に旧ソ連邦が倒れ、米国は単独覇権国となった。冷戦を勝利に導いた両輪は資本主義と民主主義。そのあるべき姿を厳粛に守っていた米国は、ソ連という敵を無くしたことで、資本主義と民主主義の矜持を失った。
その延長線上でリーマンショックが起きた。その遠因は、クリントン政権末期の、商業銀行業務と投資銀行(証券)業務を分離してきたグラス・スティーガル法の廃止にあった。しかしこれは米国が率先したのではなかった。
冷戦に勝利した西側は一気にグローバリゼーションを拡大。金とモノが米国に流れ込んできたが、その際に欧州のユニバーサルバンク(商業銀行、証券業務などの兼営)が米国の証券会社を買収。グラス・スティーガル法廃止はその対抗手段だった。
#20230516wec 週刊エコノミスト
イランとサウジが関係修復 中東は米中綱引きの最前線に
斉藤貢(前駐イラン大使)
中国が仲介したイランとサウジアラビアの関係修復だが、イスラエルをけん制する狙いも垣間見える。
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イランと長年対立関係にあるのが、西に千数百キロ行った先のイスラエルだ。
イスラエルはイランが核兵器を開発しているとみなし、イランがイスラエルに核攻撃することを恐れてイランの核燃料学者暗殺などの妨害工作を幾度となく繰り返してきた。
しかしイランの核開発を阻止できていないイスラエルは、「千数百キロ先の目標を空爆する」という技術的困難さから避けてきたイランの核施設直接空爆を、実行に移す可能性が高まっているとされる。
その直接空爆成功のためには、イランの近接諸国の領域通過の黙認が必要。だが今回のイラン・サウジアラビアの和解によって、空爆が一層困難になった。
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米国のカール国防次官は #20230301d 、「イランは、12日間で核爆弾1個分の濃縮ウランを製造できる」と発言している。
ワールド・ウオッチ ワシントンDC
米外交官に相次ぐ体調不良「ハバナ症候群」の謎深く
西田進一郎(毎日新聞北米総局長)
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米研究機関「ナショナル・セキュリティー・アーカイブ」が #202209m に公開した一連の機密解除文書には、照射に気づいた米国が極秘に行った研究や外交交渉に関する文書が含まれていた。
文書中には、#1975y に当時のキッシンジャー国務長官がモスクワ訪問に先立ち、中米ソ連大使のドブルイニン氏に電話した記録が残っている。
キッシンジャー氏は「シグナルについて話をしたい」と切り出し、「何のシグナル?」と返すドブルイニン氏に「あなたたちがモスクワの米大使館に向けて発しているビームだ」と指摘。「私が行く前に止めておいてくれないか」と要求した。
照射が明るみに出れば大きなスキャンダルになることを示唆して、このままでは「地獄を見ることになる」と警告している。
#20230516wec 週刊エコノミスト #wec
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