お地蔵さんのお供物(カクヨムに掲載、作者:結城綾)
https://kakuyomu.jp/works/16817330656393372343
子供たちがいつも通る場所には、お地蔵さんが置かれていることが少なくない。どうしてそこにあるのかは誰も分からないが、お地蔵さんは子供たちの守り神としてやさしく見守っている。
この作品は、秋が深まった夕方に幼い少女が家へ帰ろうと歩いている途中のお話である。その少女は、放課後に友達と遊び終えてから帰ろうとしているところである。
すると、行き帰りにいつも見かけるお地蔵さんが佇む姿が少女の目に入ってきた。その様子が気になったので、少女はすぐにお地蔵さんへ声を掛けた。しかし、お地蔵さんはそれに対して反応を示すことはなかった。
それでも、少女はお地蔵さんの頭を撫でながら、どうしたら自分に声を掛けてくれるのだろうかと考えていた。そうするうちに、少女はランドセルの中を探しているとポリ袋に入っていたみかんを見つけた。
少女は、そのみかんをお地蔵さんの前に置くと……。
ある日の放課後に出会った少女とお地蔵さんの様子を日常の一コマとして描いた児童文学作品である。
きみがわるい(カクヨムに掲載、作者:ナタデココ)
https://kakuyomu.jp/works/16817330661508078099
ミステリー作品といえば、探偵や警察が登場するイメージを持っている人が多いだろう。その一方で、一度見ただけでは理解することが不可能なミステリー作品も少なからず存在する。
この作品は、男女2人が登場する純文学要素の強いミステリー作品で、女性の視点で描かれているのが大きな特徴である。2人は、ファミレスのテーブルに向かう合うように座っている。
そんな時、男性が爽やかな笑顔を浮かべながら人を殺したことを女性の前で言った。普通なら、その場で殺人を犯した理由を言うところがミステリー小説の定番である。しかし、その男性は『その時の気分でガツンとね』と言っただけである。
そんな男性の言葉に、女性のほうは事件のことではなく、アイスの名前のことを相手に伝えた。すると、男性は『文章を書くの上手いでしょう?』と中身のない言葉を女へ投げつけた。その言葉を男性が発した理由とは……。
日常会話が続く中で、男性が人を殺した真意が後半まで読んでいくうちに知ることができる作品である。
木のみのまほう(カクヨムに掲載、作者:蔵樹紗和)
https://kakuyomu.jp/works/16817330658305907455
未就学児や小学校低学年向けに書かれた作品には、子供たちが感情移入しやすいように、擬人化した動物たちが登場する童話や絵本が多い。
この作品の主人公は、ティナという名前のリスの女の子である。そんなティナは、恥ずかしがり屋さんでなかなか友達ができないことが悩みである。
ある日、ティナはいつものように朝ご飯を食べていた。そんな時、外から小鳥さんたちの会話がティナの耳に入ってきた。その会話は、願いを叶えてくれる魔法の水晶玉が森の奥深くにあるという内容である。
これを聞いたティナは、友達を作りたいという思いを抱きながら水晶玉を探す旅に出ることにした。森の奥に向かって歩いていると、木もれ陽が差し込む開けた場所までやってきた。
そして、ティナは冒険に出てから3日後に目的地へたどり着くことができた。そこにある大きな木の幹を見ると……。
ティナが出会った妖精の女の子と友達になることを通して、自分が大切なものは何かを子供たちに分かりやすく伝える童話作品である。
時を戻す(カクヨムに掲載、作者:村崎愁)
https://kakuyomu.jp/works/16817330660065404455
ミステリー作品には、探偵や警察が登場する定番の作品はもちろんのこと、変わり種の作品も受け入れる度量の大きさが魅力として感じる人が少なくないだろう。
今回の作品は、大学時代の親友同士が久しぶりにBARで出会うところから物語が始まる。
素山政春は、残業を終わらせると最終電車に急いで乗るために夜道を走り駆けていた。そんな時、携帯電話が鳴ったので出てみると、向こうからの声の主はは大学時代の親友・辻恭介である。
辻に誘われるように素山が向かった場所は、大学時代に行っていたBARである。そのBARの重厚な扉を開けると、一番奥にある特等席で2人は顔を合わせた。
2人は、何気ない会話をしながらバーボンを味わっていた。すると、辻はマスターの奥さんが亡くなったらしいと素山に密やかな声で伝えた。
そして、素山は初恋の人を癌で亡くした辻への思いから2人で抱きしめることに……。
あの世と繋がっているBARでの出来事を2人の男の出会いから描いた不思議ミステリーの傑作である。
木のみのまほう(カクヨムに掲載、作者:蔵樹紗和)
https://kakuyomu.jp/works/16817330658305907455
未就学児や小学校低学年向けに書かれた作品には、子供たちが感情移入しやすいように、擬人化した動物たちが登場する童話や絵本が多い。
この作品の主人公は、ティナという名前のリスの女の子である。そんなティナは、恥ずかしがり屋さんでなかなか友達ができないことが悩みである。
ある日、ティナはいつものように朝ご飯を食べていた。そんな時、外から小鳥さんたちの会話がティナの耳に入ってきた。その会話は、願いを叶えてくれる魔法の水晶玉が森の奥深くにあるという内容である。
これを聞いたティナは、友達を作りたいという思いを抱きながら水晶玉を探す旅に出ることにした。森の奥に向かって歩いていると、木もれ陽が差し込む開けた場所までやってきた。
そして、ティナは冒険に出てから3日後に目的地へたどり着くことができた。そこにある大きな木の幹を見ると……。
ティナが出会った妖精の女の子と友達になることを通して、自分が大切なものはないかを子供たちに分かりやすく伝える童話作品である。
木のみのまほう(エブリスタに掲載、作者:蔵樹紗和)
https://kakuyomu.jp/works/16817330658305907455
未就学児や小学校低学年向けに書かれた作品には、子供たちが感情移入しやすいように、擬人化した動物たちが登場する童話や絵本が多い。
この作品の主人公は、ティナという名前のリスの女の子である。そんなティナは、恥ずかしがり屋さんでなかなか友達ができないことが悩みである。
ある日、ティナはいつものように朝ご飯を食べていた。そんな時、外から小鳥さんたちの会話がティナの耳に入ってきた。その会話は、願いを叶えてくれる魔法の水晶玉が森の奥深くにあるという内容である。
これを聞いたティナは、友達を作りたいという思いを抱きながら水晶玉を探す旅に出ることにした。森の奥に向かって歩いていると、木もれ陽が差し込む開けた場所までやってきた。
そして、ティナは冒険に出てから3日後に目的地へたどり着くことができた。そこにある大きな木の幹を見ると……。
ティナが出会った妖精の女の子と友達になることを通して、自分が大切なものはないかを子供たちに分かりやすく伝える童話作品である。
冷めた和(カクヨムに掲載、作者:小石原淳)
https://kakuyomu.jp/works/16817330658004757031
ミステリー作品の多くでは、探偵と助手、あるいはベテランと若手の刑事がコンビを組むことが定番である。一方で、登場人物に作家や編集者が登場する作品も少なからず存在する。
今回の作品では、漫画家の逆紅三太郎の邸宅に編集者の北田が訪れるという設定となっている。逆紅が暮らす家は、交通の便が悪い小高い丘のてっぺんにある。
逆紅と北田は、作品のことや原作者のことを話したりしながら談笑している。そこへやってきたのは、逆紅の妻の多部信子である。
お互いに明るい表情の夫妻だったが、逆紅に耳打ちする時の妻が眉をひそめる様子が北田の目に入った。
北田が尋ねると、逆紅は実弟でレストランを経営している真理夫から追加融資を頼まれていることに苦悩していた。
ホスト役の逆紅夫妻をはじめ総勢10名にて開催されたパーティは賑やかに進んだが……。
前半で逆紅とそれにまつわる人物関係を描いてから、真理夫が殺害されたことに対する犯人の考察を後半で描く手法を用いているミステリー作品である。
エミリアーナのドレス(カクヨムに掲載、作者:那由羅)
https://kakuyomu.jp/works/16817330653959679280
古くから、各国において様々な民話や昔話が口承によって次の世代へと伝えられてきた。そこには、子供たちに向けて様々なことへの憧れや正しいことを教える教訓がファンタジーの世界観や親しみやすいキャラクターを通して描かれている。これらの民話は、絵本やアニメといった媒体を通して現在でも広く知られている。
今回の作品には、主人公の少女に加えて、魔女や王子様が登場するファンタジー要素の強い内容となっている。
主人公のエミリアーナは、城下の大通りにある魔法雑貨のお店へ立ち寄るのが日課である。エミリアーナは、そのショーウインドウに飾られている緑色のふんわりしたドレスを見るのが大好きである。
でも、エミリアーナの家は貧しくてドレスを買うお金はない。それでも、いつかこのドレスを買いたいというエミリアーナに誰かが声を掛けてきた。その声の主とは……。
エミリアーナが魔女と対峙する様子、そして王子のコルネリオへの思いを通して本当に大切なものは何かを考えさせる作品である。
深夜の薬局(カクヨムに掲載、作者:たかのすけ)
https://kakuyomu.jp/works/16817330653580874871
都市伝説は、国内外において有名無名を問わず無数に存在するものである。ホラー作品でも、直木賞候補となった『都市伝説セピア』などで都市伝説を扱った作品が登場している。
今回の作品は、オカルト好きな男の語りから始まる。彼が選んだのは、『深夜の薬局』という首都圏を中心に広まっている都市伝説である。
その薬局は、深夜2時の丑三つ時に雑居ビルに突如として現れるもので、『願い事を叶える薬』が売られているとの噂がある。支払いには、現金払いの他に『未来の一部を売る』という2つの方法があると言う。
そんな薬局に実際に遭遇したのは、現実に絶望して家出をしている勇樹という名前の少年である。勇樹が家出した理由、それは父親のギャンブルと家族への暴力である。
雨がふり続く中、勇樹は急いで雑居ビルの入口に駆け込むことにした。勇樹は、深夜も営業している薬局を外から見ていると……。
ユニークな題材の都市伝説と実際に遭遇した少年がこれからどうなるのか興味が尽きない作品である。
ワンダーラビリットココア(カクヨムに掲載、作者:ちょこ)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054891042597
他の世界からやってきたマスコットが現実世界で小学生の子供と出会うのは、漫画やアニメをはじめとする子供向け作品に少なからず登場する。これらの作品は、夢を持つことの大切さを子供たちに伝えているのも魅力と言えよう。
この作品は、小学4年生の女の子・新道ココアが主人公である。書き出しでは、病気のために運動してはいけないというココアの苦悩が描かれている。
ある日の帰り道、ココアは街路樹の下に咲いている花へ語りかけていると、花の間にガラス玉が埋まっているのに気づいた。そのガラス玉には、閉じ込められた水が揺れているのがココアの目に入った。
その夜、ココアは部屋の窓からピンクベージュ色のうさぎが自分の額にぶつかった。ココアは、カーペットに落ちたうさぎのぬいぐるみと茶色のトランクを拾い上げて自分の机に置いた。
そして、ココアがベッドで眠っていると……。
ひょんなことがきっかけに、現実世界と異世界を行き来するココアの成長を明るいタッチで描く作品である。
冷たい手(カクヨムに掲載、作者:氷室凛)
https://kakuyomu.jp/works/16817330650247497131
ミステリー小説では、作品中で殺人事件に触れることが多い傾向にある。そこでは、殺人の詳細な内容に踏み込むことも少なくない。
この作品では、右腕を切断して殺害した事件を中心にあらゆる視点から描いている。
主人公の少年は、喫茶店内でテーブルに置かれたコーヒーを飲もうとカップを持ち上げていた。そんな時、向かい側に座っていた後輩から右腕切断殺人事件のニュースのことを聞いてきた。
その事件は、9年前から4年続けて発生していたが、6年前を最後に全く起こらなくなった。共通するのは、台風一過の後に川辺で見つかったというもので、被害者の女性の年齢は毎年1歳ずつ上がっていた。
そんな中で、5件目の事件が昨日発生した。これまでの事件と共通する中で、唯一異なったのは被害者の年齢が6歳ということである。
すると、少年は6年前の小学生時代のことを脳裏に思い起こしながら……。
右腕切断殺人事件を題材に、中心人物である2人の心理状況と行動が描かれているミステリー作品である。
白の孤児院(カクヨムに掲載、作者:イルカ尾)
https://kakuyomu.jp/works/16817139555267198757
小説作品では、様々な境遇に置かれている人々を題材としたものが少なくない。これは、小説が取り上げるテーマを掘り下げることで読者の関心を高めることを目的にしている。
今回の作品は、ななという名前の少年が目覚めの鐘が鳴って目を覚ますところから始まる。相部屋になっているので、ななのほかにみおくんという小さい男の子がルームメイトとなっている。
2人は顔を洗うと、朝食を食べるために食堂の中へ入った。そして、食事が終わるとななは雅先生と2人で話しながら廊下を進んでいる。
しばらく進むと、廊下の突き当たりへやってきた。そこにある壁に雅先生が触ると、あっという間に大きな扉が浮かび上がった。
その扉をゆっくり開けると、その先まで暗いな廊下が続いている。先生と手を繋ぎながら進むと、大きな鉄の扉の部屋へ入った。
その部屋の奥にあるベッドに寝かせると、ドクターたちによって体内にチューブを繋がれて……。
孤児院の日常をホラーの要素を取り入れながら描いた作品である。
月と森と(カクヨムに掲載、作者:あんらん)
https://kakuyomu.jp/works/16817139558680388847
児童文学に限らず、小説の中には数十年前の出来事を回想する形式の作品が少なからず存在する。それは、その時代を生きてきた人にとってのノスタルジーや、その時代を知らない人にとっての関心を喚起する役割を担っていると言えよう。
この作品は、母親が倒れて入院したことをきっかけにやってきた祖母との出会いから始まる。そもそも、隣の県に住む祖母助けを求めたのは、父と娘がそろって家事ができない有様だからである。
それはさておき、娘にとっては、祖母と2人きりで同じ部屋で寝るのは初めてである。中学校に入学したばかりとあって、娘は落ち着くことができずになかなか眠れない。
そこで、祖母は今から50年前の中学生になったばかりのある女の子のお話をすることにした。
茜という名前のその少女は、いつもよりも早起きすると鏡に映る自分の姿を眺めていた。入学式を済ませた茜は、図書室へ行くと司書の戸継に出会って……。
祖母が語る半世紀前の出来事をファンタジーの要素と絡めながら描いた作品である。
日常エンドレス(カクヨムに掲載、作者:赤点)
https://kakuyomu.jp/works/16817139556313113757
もしも、何気なく続いている日常が次第に変わっていることに気づいたら……。
この作品の主人公は、高校に通う1人の少年である。少年はいつも通りに起きると、弁当と水筒を持ってから自転車で高校へ向かった。
高校では、午前から午後にかけて昼食をはさんで授業が行われている。少年の視点で描かれる授業風景は、読者の中にも納得する人は多いと思う。文面を見ると、少年には仲のいい友達がいるけど、会話は比較的少なめという印象を持っている。
雨上がりの帰り道を通って家へ戻った少年は、その日の深夜にベッドで横たわりながら眠っていた。
そんな時、少年は机の角に頭がぶつかった時のような頭痛に見舞われた。すぐに痛みが収まった少年は、次の日の朝もいつも通りに高校へ向かった。
ところが、通学途中で自分以外の人間が誰もいないことに気づいてしまう。そして、少年の通っていた高校も……。
日常と思っていたことが非日常であることを主人公の行動からうかがい知ることができる作品である。
日常エンドレス(カクヨムに掲載、作者:赤点)
https://kakuyomu.jp/works/16817139556313113757
もしも、何気なく続いている日常が次第に変わっていることに気づいたら……。
この作品の主人公は、高校に通う1人の少年である。少年はいつも通りに起きると、弁当と水筒を持ってから自転車で高校へ向かった。
高校では、午前から午後にかけて昼食をはさんで授業が行われている。少年の視点で描かれる授業風景は、読者の中にも納得する人は多いと思う。文面を見ると、少年には仲のいい友達がいるけど、会話は比較的少なめという印象を持っている。
雨上がりの帰り道を通って家へ戻った少年は、その日の深夜にベッドで横たわりながら眠っていた。
そんな時、少年は机の角に頭がぶつかった時のような頭痛に見舞われた。すぐに痛みが収まった少年は、次の日の朝もいつも通りに高校へ向かった。
ところが、通学途中で自分以外の人間が誰もいないことに気づいてしまう。そして、少年の通っていた高校も……。
日常と思っていたことが非日常であることを主人公の行動からうかがい知ることができる作品である。
羊は今日も忙しい(カクヨムに掲載、作者:さとすみれ)
https://kakuyomu.jp/works/16817330647810810850
両親にとっての悩みの1つに挙げられるのが、子供が布団に入ってもなかなか寝てくれないことである。そんな時に、子供が羊を数えると眠くなるということがよく知られている。
今回のお話は、これらのことを羊たちの視点で描いている。夜になると、子供たちのいる家から呼び出しがかかるのが羊たちの日課となっている設定が面白い。
羊たちは、部屋の中で草を食べたり、他の羊たちと話をしたりしながら待っている。そして、呼び出しがかかるとその家へ行って子供が眠るまで頭の中でぐるぐる回るのをグループごとのローテーションで行うのが基本である。
そんな羊たちは、子供たちから呼ばれないので以前ほど忙しくなくなった。リーダーに聞いてみても、知らなくてもいいことだと言うばかりである。
そこで、1匹の羊が呼び出しを受けるタイミングで他のみんなと反対の方向へ向かった。羊が向かった先は……。
子供たちを寝かせるために奮闘する羊たちの様子をユーモアを交えながら描いた児童文学作品である。
羊は今日も忙しい(カクヨムに掲載、作者:さとすみれ)
https://kakuyomu.jp/works/16817330647810810850
両親にとっての悩みの1つに挙げられるのが、子供が布団に入ってもなかなか寝てくれないことである。そんな時に、子供が羊を数えると眠くなるということがよく知られている。
今回のお話は、これらのことを羊たちの視点で描いている。夜になると、子供たちのいる家から呼び出しがかかるのが羊たちの日課となっている設定が面白い。
羊たちは、部屋の中で草を食べたり、他の羊たちと話をしたりしながら待っている。そして、呼び出しがかかるとその家へ行って子供が眠るまで頭の中でぐるぐる回るのをグループごとのローテーションで行うのが基本である。
そんな羊たちは、子供たちから呼ばれないので以前ほど忙しくなくなった。リーダーに聞いてみても、知らなくてもいいことだと言うばかりである。
そこで、1匹の羊が呼び出しを受けるタイミングで他のみんなと反対の方向へ向かった。羊が向かった先は……。
子供たちを寝かせるために奮闘する羊たちの様子をユーモアを交えながら描いた児童文学作品である。
鴉取妖怪異譚(カクヨムに掲載、作者:松田詩依)
https://kakuyomu.jp/works/16817330647724022439
最近の小説で、若い世代の間で人気が高いのが『あやかしもの』と言われているジャンルである。現実の社会や世相を背景にしながらも、伝奇やファンタジーの要素をミステリーの中にうまく取り入れているのが大きな特徴となっている。
この作品は、大正時代の東都という架空の都市を舞台にしている。東都駅前の喫茶店『スクイアル』では、新人作家の三毛縞公人と担当編集の井守真が向かい合って話していた。
そんな時、三毛縞は出版社に近い東都へ引っ越すことを考えていることを口にした。しかし、アパートの家賃の高さが三毛縞にとっての悩みとなっている。
そこで、井守は近くにあるお洒落な洋館で内装も申し分ないアパートを三毛縞に紹介した。家賃の安さが大きな魅力であるが、そこは幽霊屋敷と呼ばれていて……。
三毛縞は、井守から受け取った用紙にあるアパートの大家の名前に目を通した。そこには、鴉取久郎という名前が……。
新たな住処となったアパートにまつわる怪異とその真相に迫る作品である。